logo

花嫁はどこへ?

花嫁はどこへ?(Laapataa Ladies)

製作:アーミル・カーン、キラン・ラオ
   ジョーティー・デーシュパーンデー
監督:キラン・ラオ
原案:ビプラブ・ゴースワーミー
脚本・ダイアログ:スネーハー・デサイ
追加ダイアログ:ディヴィヤーニディ・シャルマー
撮影:ヴィーカス・ノゥラカー
編集:ジャビーン・マーチャント
美術:ヴィクラム・シン
衣装:ダルシャン・ジャラン
音楽:ラーム・サンパト
出演:ニターンシー・ゴーエル、プラティバー・ランター、スパルシュ・シュリーワースタウ、ラヴィ・キシャン、チャヤ・カダム

2024年/インド
日本公開日:2024年10月4日
カラー/スコープ/5.1ch/124分
字幕:福永詩乃
配給:松竹
応援:インド大使館
©Ahmir Khan Films LLP 2024

2024年 アカデミー賞国際長編映画賞 インド代表選出


poster

story

 2001年1月、インド。小さな村にある花嫁の実家で結婚式を挙げたプール(ニターンシー・ゴーエル)とディーパク(スパルシュ・シュリーワースタウ)。慣習に従い実家で3日間を過ごした後、プールは家族と別れを告げ、ディーパクと共に夫の家へと旅立つ。小さな袋に入れたお守りを持ち、花嫁の赤いベールを被って。

 バイク、船、車と乗り継いだ二人は、小さな駅から列車に飛び乗った。ところが、大安吉日で列車は新婚カップルと家族で満席。深夜、ムルティ駅に到着し、ディーパクは慌てて花嫁の手を取り下車する。それからバスに乗り、友人や親戚のグンジャン(ダウド・フセイン)たちに出迎えられ、大家族の待つ家に到着した。

 ところが、ベールを取った花嫁はなんと別人だった。仰天するディーパクに「花嫁を間違えるなんて」と家族は非難する。彼女はプシュパと名乗り、夫の名前や実家の住所を告げた。ディーパクは駅へ向かい、プシュパは兄嫁プナム(ラチュナー・グプタ)の部屋に泊まることになる。

 一方、居眠りしていたプールはパティラ駅で下車。夫とはぐれたことに気づく。近くではプラディープ(バスカル・ジャー)と家族が花嫁のジャヤ(プラティバー・ランター)が消えたと騒いでいた。プラディープは前妻が焼死するなど怪しい男で、迷子のプールにも「力になるぞ」と近づくが彼女は逃げ出す。

 プシュパと名乗ったジャヤは夜中に外へ出て、夫に持たされていた携帯のSIMMを焼却。警察へも行きたがらず、怪しい行動ばかり。相談を受けたマノハル警部補(ラヴィ・キシャン)は別の署から花嫁ジャヤの捜索願いを受け取っており、プシュパに疑いの目を向ける。

 駅のトイレで一晩過ごしたプールは、駅で暮らす少年チョトゥ(サテンドラ・ソニ)たちと出会い駅長室へ。名前は言えたが夫の村の名前がわからない。警察へも怖がって行かないので、チョトゥは駅で屋台を出しているマンジュおばさん(チャヤ・カダム)に相談する。

 暴力夫を追い出して一人暮らしのマンジュは、世間知らずのプールに呆れたものの、見かねて部屋に泊めてくれた。そして、プールも屋台の手伝いをするようになる。

アジコのおすすめポイント:

婚礼後、妻の実家から夫の家へ向かう新婚カップルが、満員列車の中で花嫁を間違えたことから巻き起こるハートウォーミングなヒューマンドラマです。赤いベールを被った花嫁さんだらけの列車で、夜中に慌てて降りたからなのですが、花婿がトイレに行っている間に席が移動していたんですね。しかも居眠りしてて気づかないし。それはともかく、そのおかげでふたりの花嫁はそれぞれの場所で出会った女性たちに影響を与え、または影響されて、自分の進むべき道を見出していきます。そう、これは女性たちへの応援讃歌なのです。監督はキラン・ラオ。製作のアーミル・カーンが脚本コンペで見つけた原案を気に入り、元妻で今も仕事上の良きパートナーであるキラン・ラオに監督を託しました。脚本はブラッシュアップされ、エピソードや登場人物が追加されて、より味わい深い作品に仕上がっています。特にマンジュおばさんとマノハル警部補がいい。助手のドゥベ君と怪力のベラ君もいい。主演はフレッシュな若い俳優たち。子役出身のニターンシー・ゴーエルと本作で映画デビューしたプラティバー・ランターが花嫁を演じ、アーミルがスカウトしたダンサーでもあるスパルシュ・シュリーワースタウが、翻弄される花婿を演じています。インドの結婚事情やしきたりも興味深いし、マンジュおばさんの屋台で作られるパコラやサモサ、新商品のカラカンドも美味しそう。最後は皆がハッピーになれて感動の涙と清々しい気分に。オープニングとエンディングに登場するイラストもかわいらしく、大切に取っておきたい絵本のような作品です。

p2p3p4

p5p6p7

p8p9p10

p11p12

▼公式サイト ▼予告編