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破墓/パミョ

破墓/パミョ(破墓/EXHUMA)

監督:チャン・ジェヒョン
脚本:チャン・ジェヒョン
撮影:イ・モゲ
編集:チョン・ビョンジン
美術:ソ・ソンギョン
武術:チョン・ユノン、ムン・グァンシク
音楽:キム・テソン
出演:チェ・ミンシク、ユ・ヘジン、キム・ゴウン、イ・ドヒョン、キム・ジェチョル、キム・ミンジュン、キム・ビョンオ、イ・ジョング、キム・ジアン、キム・ソニョン、小山力也(声の出演)

2024年/韓国
日本公開日:2024年10月18日
カラー/ビスタサイズ/5.1ch/134分/PG12
字幕:根本理恵
配給:KADOKAWA KADOKAWA Kプラス
©2024 Showbox and Pinetown Production

2024年 ベルリン国際映画祭ワールドプレミア正式出品
2024年 百想芸術大賞
 監督賞(チャン・ジェヒョン)
 女優演技賞(キム・ゴウン)
 新人男優演技賞(イ・ドヒョン)
 芸術賞(キム・ビョンイン)
2024年 シッチェス・カタロニア国際映画祭 審査員特別賞


poster

story

 若い巫堂(ムーダン)のファリム(キム・ゴウン)とボンギル(イ・ドヒョン)は飛行機でロサンゼルスへ向かっていた。不動産で財を成した大富豪パク家の後継者になる赤ん坊の病気が原因不明で治らないのだ。病院で赤ん坊を見たファリムが「同じような家族が他にもいるのでは?」と尋ねると、父親と祖父も同じだったという。

 ファリムは先祖のお墓の居心地がわるいので、子孫に問題が起こっていると告げる。解決法はお墓の移動だった。これは大掛かりな仕事になる。そして、二人の手助けが必要だ。それは、風水をみて埋葬に最適な土地・明堂を探す地官のキム・サンドク(チェ・ミンシク)と納棺師のコ・ヨングン(ユ・ヘジン)だった。

 この道40年のキャリアを持つサンドクだが、最近は仕事が減ってきた。ヨングンも同じだ。そこへファリムたちが大きな仕事を持ってきてくれた。二人は退職金代わりに引き受けることにする。条件は内密にすること、棺は開けないですぐに火葬すること。

 長男のパク・ジヨン(キム・ジェチョル)は4人を先祖の墓がある山へ案内する。そこは鍵がかかった私有地の中で、狐がたくさんいる山。開けた山頂には、盛り土に古い石碑のみの質素な墓があった。石碑に名前はなく、位置を示すような数字が掘ってある。サンドクは土を舐めて顔をしかめる。

 「ここは手を出さない方がいい」と一度は断ったサンドクだったが、大金がかかっている。ファリムたちの説得でパク家で詳しい話を聞くが、彼らは何かを隠しているようだ。途中にあった保国寺も気になる。前代未聞の悪地だが、極めて正確な位置を選んで埋葬されていた。

 悩んだ末、ファリムたちがテサルお祓い(厄除けのお祓い)と改葬を同時に行おうと提案。当日、ファリムとボンギルがお祓いの儀式を行い墓掘り人たちが墓を掘り起こすと、彫り物のある立派な棺が出てきた。そのまま霊柩車に載せて火葬場へ直行するはずだったが、突如雨が降り出す。

 やむなく火葬を延期し、知り合いの病院に安置してもらうのだが、サンドクが保国寺の僧侶(イ・ジョング)を訪ねて話を聞いていた頃、棺の蓋が開けられてしまいファリムは気絶する。「ヤバいものが出て来た…」

アジコのおすすめポイント:

お待たせしました!日本でも大ヒット爆進中のホラーサスペンスです。もうご覧になった方も多いと思いますので、ネタバレ承知でご紹介しますが、若き巫堂コンビと韓国文化にとって重要な風水をみる地官&納棺師のベテランコンビ4人が難しいお墓の改葬を請け負ったところ、実際はその禍の根本原因となるもう1つの巨大な棺が現れた!というストーリー展開。そこからほんとうにヤバイものが出てきて、4人が決死の封印を挑みます。そこに日本との過去が関わってきている点で、違和感を感じたり十分に楽しめないという人もいるかもしれませんが、お待たせしている間にネタバレ解禁のトークショー映像が公開されましたので、これでやっと堂々と書けます。

6章仕立てになっている本作。「陰陽五行」「名もなき墓」「霊魂」「祟り」「鬼火」「鉄杭」の順で進んで行くのですが、都市伝説と言われている鉄杭は探してもなかった。代わりに、その象徴のような巨大な棺が刺さっていた、ということではないでしょうか。出てきたのは怨霊ではなく、自然界の精霊も混ざっているということなので、どちらかというと妖怪。チャン・ジェヒョン監督は日本の妖怪協会の副会長をしていたそうなので、そういう風に仕立てていったのではないかと思います。このヤバいものについては、人それぞれ様々に解釈していいのではないでしょうか。(以上、アジコ解釈)

主演はチェ・ミンシクとユ・ヘジン。芸達者なベテラン俳優に、ハン・ゴウン、イ・ドヒョンというフレッシュな二人が組み合わされ、演技のアンサンブルも大きな見所です。特にハン・ゴウンの巫堂の舞は本物と見まごうほどの熱演。圧巻です。そして、これまたネタバレ解禁になったヤバいものを演じていたのが、なんとあのキム・ミンジュンなんですね。と言われてもわからないほどのメイクなので、ファンとしては複雑な心境。体格は元バスケットボール選手のキム・ビョンオ。この辺りの話はトークショーをご覧ください。声優として小山力也さんも出演しています。ラストはハッピーに収束し、この4人でならシリーズ化で続編もできそうな感じですが、さらに妖怪を追求するなら日本チームとの合作も監督にお勧めしたいです。

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