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私は何度も私になる

私は何度も私になる(野蛮人入侵/Barbarian Invasion)

製作:ウー・ミンジン
監督:タン・チュイムイ
脚本:タン・チュイムイ
撮影:ルー・グワァイ
編集:ウォン・カイユン
アクション指導:ジェームズ・リー
美術:フィッシュ・リム
音楽:カマル・サブラン
出演:タン・チュイムイ、ピート・テオ、ジェームス・リー、ジニー・ウーイ、ニク・ハディフ・ダニ、ブロント・パララエ

2022年/香・マレーシア
日本公開日:2025年6月28日
カラー/106分
字幕:神部明世
配給:Cinemago
©2022 By Heaven Pictures/HK/Cinemago
2021年 上海国際映画祭 審査員特別賞(タン・チュイムイ)
2022年 マレーシア映画祭 主演女優賞(タン・チュイムイ)

poster

story

 結婚、出産、離婚で引退していた女優ムーン・リー(タン・チュイムイ)が、古い友人の映画監督ロジャー・ウー(ピート・テオ)に呼ばれて海辺の街へやって来る。やんちゃ盛りの幼い息子ユージョウ(宇宙:ニク・ハディフ・ダニ)も一緒だ。船で到着した2人は、ロジャーと助手のユー(ジニー・ウーイ)に迎えられる。

 極秘プロジェクトと聞いていた仕事は、なんと娯楽アクション映画。アジア版『ボーン・アイデンティティー』を撮りたいという。南シナ海に漂着した記憶喪失の女が主人公だ。アクションが主体で特訓を受けることになり、フィリピン武術のロー師範(ジェームス・リー)の道場へ1ヶ月通うことになる。

 厳しい訓練の最中、ロジャーはムーンのために脚本を書いていたが、恋愛パートで行き詰まっていた。20人以上の男性と付き合っていたムーン。なぜ、ジュリアード(ブロント・パララエ)と結婚したんだ?と尋ねられるが、ムーンはその彼と離婚したばかり。

 ところが、プロデューサーの意向で相手役はジュリアードにしたいと言う。彼が出るなら私は出ないと突っぱねるムーン。中国の女優が出資する代わりに自分を主演に、という話まで飛び出した。だが、ロジャーは「主役は君だ!」とその話を断り、ムーンを説得しようとする。

 訓練が終わり、ロー師範は「武術は自分を探すもの」とムーンに2本の棒をプレゼントした。ムーンはユージョウを連れて帰ろうとするが、目を離した隙にユージョウがさらわれてしまう。息子を取り戻すため、ムーンは荒くれ男たちと闘うが負け、海に投げ捨てられてしまう。

 深夜、海の中からミャンマーの密航者たちが上陸してくる。その中の一人の女性が、海岸に流れ着いたムーンを見つけ助けるが、彼女は記憶を失っていた…。

アジコのおすすめポイント:

復帰作として親友である映画監督のアジア版『ボーン・アイデンティテイー』に主演することになった女優が、アクションの特訓を通じて人生の岐路から自分自身を見つめ直し、魂の修行へと至る物語。2006年の『愛は一切に勝つ』で長編デビューし、マレーシア映画界のニューウェーブを牽引する監督の一人と称されたタン・チュイムイが、10年以上の監督休業から復帰した作品で、自ら主演を演じ、半自伝的作品となっています。親友の映画監督を演じるのは、ヤスミン・アフマド組でも知られるシンガーソングライターのピート・テオ。アクションの師範役をアクション監督で映画監督でもあるジェームス・リーが演じ、ユニークな作品に仕上がりました。ストーリーも映画撮影での紆余曲折から、いつの間にか映画の中に入っていく展開。元夫との共演を通じて、女性として、母として、彼女はどんな境地に至るのか。2022年の大阪アジアン映画祭で上映され話題となった本作は、この夏、神保町に開館予定のミニシアター、シネマリスの開館記念公開作品にもなっています。

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