映画は、食卓のメイン・ディッシュを飾るアドボ(Adobo)の調理シーンから始まります。タイトル中にもあるとおり、やはりAdoboはふるさとの味。定期的に5人は集まり、フィリピン料理に舌鼓を打ち、日々のストレスを解消し、友情、アイデンティティを確認しあいます。
今の状況に満足できない新聞記者 Mike(Christopher De Leon)、ダメンズの元彼を忘れられないキャリアウーマン Marissa(Dina Bonnevie)、実はゲイの Gerry(Ricky Davao)、敬虔なクリスチャンで家事や料理は完璧だけど男に縁のない Tere(Cherry Pie Picache)、Marrisaのいとこでプレイボーイの Raul(Paolo Montalban)がメイン・キャラクター。それぞれ、夫婦不和、親子間の異文化ギャップ、男と女 or 男と男間で起こる出会い・浮気・HIV などの問題を抱えています。この食卓での彼らの会話を通して、ストーリーがフィリピンらしく軽いテンポで展開していきます。
元々、知人に「フィリピンがわかる映画だよ」と薦められたのがきっかけで、VCDを借りて見たのですが、なるほど、映画と同様に同じ悩みを抱える友人もいて、英語・タガログ語のみでしたが身近に感じながら見ることができました。また主人公が5人とも「こういうフィリピン人いるいる〜」といったキャラクター設定でした。
悩みを抱えているのに、メイドに目移りする Mike の「男とはいくつになっても…」的な様子(このメイド役の Sandy Andolong は実生活では Christopher の妻)、自分に学歴やキャリアがあるのに、彼氏がダメンズという現実を受け入れず愛のみを信じるタイプや、逆に信心が深すぎて一歩を踏み込めないタイプの女性、傍から見てどうみてもゲイなのにそれを否定する男性…。「フィリピン、フィリピン人ってどんな感じ?」と興味を持ったなら、ぜひ一度ご覧ください。
●from はろはろ:profile
海外勤務中にフィリピン人の夫と知り合い結婚。毎年2週間〜1カ月間は、フィリピンの夫の実家を訪問しています。また在日フィリピン人コミュニティともお付き合いしているので、そこから垣間見えるフィリピンを紹介できればと思っています。
|
|