じっくりことこと煮込んだスープは
中華のお袋の味。
2004年6月17日
共稼ぎ率の高いシンガポールではありますが、主婦ももちろん存在しています。そして伝統的な中華の主婦は台所で過ごす時間が大変に長いのも事実。そんな「カリスマ主婦」の一人であるうちの姑、もう一日の大半を夕飯作りのために費やしているといっても過言ではないでしょう。
私が知っている限りでは、午後じゅう今夜の夕飯の仕込みに費やし、午後3時ごろから調理開始、6時ごろまでに5〜6品のおかずが(しかも全部炒め物や揚げ物)出来上がってきて、毎日が中華のフルコース状態。そんな夕飯の食卓に重要な位置を占めるのが、一日中煮込んだスープ。
このスープ、シンガポールの料理をする家庭にはおそらく必ず常備されていると個人的に踏んでいる、スロークッカーでつくります。要は電熱で調理する土鍋。材料を放り込んで水を入れてスイッチを入れ、あとは夕飯までほっとくだけです。所要時間は最低でも6時間は必要のようなので、昼ごはん前から姑はスープの仕込みに入っているようです。
具は豚ばら肉や鶏肉(福建系は牛肉は食べない)、冬瓜やれんこんや大根を入れたり果ては輪切りのとうもろこし、ピーナッツが入っている場合もあります。時には漢方薬屋やスーパーでも売っている漢方スープセットなどを入れることも。鍋自体は陶器なので、金属鍋では効き目に影響が出てしまう漢方スープにはぴったりです。この際、にんじんはその成分が漢方薬の効き目を損なうことが多いので入れないようにとのことです。
あまりローカルフードを作らない我が家にも、このスロークッカーは一台あります。これは産後の坐月と呼ばれる産褥期間中に、専門のお手伝いさんが毎日紅棗を煮出したお茶を作る用に購入しました。このお茶、血液を補うのに大変よろしいのだそうで、かすかな甘みが大変美味しいものでした。そのまま離乳食のお粥作りにも利用できるとか。以来、あまり使っていないのですが、たま〜にシチューとかカレーとかおでんなどの煮込み料理に応用しています。
|