シンガポールきってのマルチタレント
ジャック・ネオ(梁智強)をご紹介。
2004年12月1日
5年以上前にシンガポールに滞在された事のある方なら、コテコテに着飾った中年女性の格好をした男性が、片手で頭を叩きながら「アイヨー、傷脳筋〜(中国語で困ったもんだわねえという意味)」と言うフレーズをご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。そのキャラクター「梁細妹(実際には小太りでしたが…)」を演じていたのが、今回ご紹介するジャック・ネオ(梁智強)です。
彼は、志村けん氏の演じるおばあさんキャラにインスパイアされて作り出した「梁婆婆」で一世を風靡した、シンガポール・コメディアンの大御所。この「梁婆婆」は、Mediacorp Raintree Picturesの第一作目『梁婆婆重出江湖/Liang Po Po-The Movie』としてリバイバルしています。
1998年、ジャック・ネオは映画制作の分野に進出をはかります。デビュー作『Money No Enough』は、英語・中国語、そして中華系シンガポーリアンの中でもっとも使用されている福建語が多く飛び交うリアルな会話(注:シンガポールでは原則として公の場での中国方言の使用に規制があります。)と、金儲けに邁進するシンガポーリアン気質を描いて観客の心をがっちりつかみ、大ヒットしました。
その後も『That One No Enough』、前出の『Liang Po Po-The Movie』などで、シンガポールの日常を、時にはオーバーに、またコミカルにとらえて観客を笑わせ、最後はしんみりと心温まる、そんな映画を次々に発表していきます。
特に2002年に発表された『I Not Stupid』は、小さい頃からの激しい受験戦争の現実と、それにいまいち乗り切れない3人の小学生の男の子たちと家族の悲喜こもごもを描き、子供、親の大絶賛を浴びただけでなく、教育者、ひいては政府の注目も集め、教員養成所での講演もするようになります。
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