6月10日から、「なさぬ仲」の男女を題材にした映画『The Sin(タイ題:チュー)』が公開されています。最近のタイ映画は、女性の裸身が出てくるシーンを盛り込んで、それで客寄せをする傾向があり、この映画も不倫が題材とあって当然そういうシーンがあるのですが、それ以上に、タイの社会が抱える夫婦間の問題というものが反映されていて、考えさせられるところが多い映画だと言ってもいいでしょう。
●あらすじ
母親が男と逃げたことが原因で、家出をしたテープ。フリーの写真家として放浪する日々を送っていたが、ふと思いついて15年ぶりに父親を訪ねていくことにする。母親に逃げられた父親チュンは、新しい土地で漁師として身を立て、新しい妻リアムをも迎えていた。リアムはチュンが漁に出たときに、海でおぼれていたところを助けて知り合ったのだ。テープはリアムに淡い恋心を抱いていたが、父親の妻ということでそれを無理やりに押さえつけていた。しかし、ことあるごとにリアムに暴力をふるうチュンを目にして、テープは母親が男と逃げた理由を思い出す。何事も力ずくで解決しようとする父親をうとましく思うテープ。その気持ちはリアムも同じだった。いつしかふたりは同情という感情でつながり合い、越えてはいけない一線を越えてしまう……。
●from 増成ヒトミ:profile
1997年よりタイ・バンコク在住。タイの暑さとおいしい食事と熱帯のフルーツをこよなく愛する二足わらじライター。
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