喧噪を離れて古きを堪能しよう。
江南水郷の町、烏鎮
2004年5月1日
上海は世界中のどの街よりもすごい速度で変化し続けています。「新天地」など一部地域では、古き良き上海のイメージを残しつつ現代の生活に合うように開発が進められているものの、多くの街並は昔の匂いのかけらも残すことなく変貌し続けています。それは上海だけでなく、経済的に潤っている沿海エリアの多くで見受けられ、「東洋のベニス」と称えられる観光名所、蘇州でさえ、歴史の匂いを失いつつあります。
そんな中、街全体を観光地として開発するだけでなく、国家が統制して商業観光地色を強く押し出さないようにしながら、街の匂い、とりわけ人の息づかいを失わないようにしているのが、この街「烏鎮(ウー・チェン)」なのです。
烏鎮は浙江省の北部、桐郷にあり、上海からは高速道路を利用して2時間強。春秋時代には呉、疆、越の三国の境に位置していた場所で、町として開かれたのは唐の時代だと言われています。チケットを購入して「烏鎮景区」の中へ入ると、町は水路を中心に形成されており、街並を楽しむだけでなく、見学ポイントが用意されており、町の特産物や歴史を知ることができるようになっています。
たくさんの木製ベッドが展示されている「百床館」、伝統的な生活のようすがよくわかる「民俗館」、三白(白米、白麺、白水)酒を醸造している「高公生酒坊」、藍印花布の製作工程がわかる「藍印花布作坊」…まだまだたくさんあります。そしてここは観光地になっているものの、町自体は実際に人が生活しているところであり、石畳をゆっくり進んで行くと、その両側には木造の家々。窓から中をのぞいてみると、おばあちゃんがお昼ごはんの真っ最中だったり、テレビをみていたり。また、中国の近代文学の巨匠・茅盾や、宋代から清代にかけて64人の進士・161人の挙人(「科挙」試験に合格した人)を輩出した、学の高い土地でもあるのでした。
雨の日の景色も良く、晴れの日の景色もまた良く、いつ出かけても大丈夫なので、気候の良い今の時期の小旅行にはオススメです。詳しくはサイトで確認いただく方がよいので、ぜひ参照サイトをチェックしてみてくださいね。なお、上海からは「旅游集散中心」の1日ツアー(120元)を利用することができます。
|