中国で日本ドラマの豪華キャスト作品
『世紀末的晩鐘』をみる。
2004年9月8日
今回は、8月末〜9月初めに上海の東方電視台・新聞娯楽チャンネルで放送された『世紀末的晩鐘』(邦題『世紀末の晩鐘』)をご紹介します。この作品は、呉民民(ウー・ミンミン)の1994年作品が原作の22話ドラマで、日中国交正常化30周年を記念して中国の海潤影視と吉本興業の合作で製作されました。
監督は中国側が黄健中、日本側は先頃製作発表が行われた日本映画『男たちの大和 YAMATO』の監督、佐藤純弥。キャストは、人気ドラマ『還珠格格』シリーズで趙薇(ヴィッキー・チャオ)の次に「小燕子」を演じた『還珠格格3』の黄奕(ホァン・イー)。中央電視台20集連続ドラマ『孫中山』で宋慶齢を演じた朱媛媛(ジュー・ユアンユアン)、「中国の高倉健」と言われている『生死抉擇』の王慶祥(ワン・チンシアン)。
それだけでなく、日本からは峰岸徹、笑福亭松之助、大島智子、真理アンヌ、『仮面ライダーブレイド』で山羊アンデッドを演じた是近敦之、元大阪パフォーマンスドールの中野公美子、130Rの板尾創路らが出演。そして音楽を小室哲哉が担当するなど、渋くも豪華な顔ぶれです。
いつも私は「上海電視」というテレビ番組の情報誌を購入するのですが、8月に入ってからというもの毎週のように買いそびれ、番組が始まるまでこのことを全く知りませんでした。久々に時間があって、テレビのチャンネルをぷちぷち切り替えていたら、着物姿の女性を発見! 過去に中国ドラマで見た和服の女性は、なぜか足袋の下に肌色のタイツをはいていたり、妙に着崩していたり、日本人が監修していないことが一目でわかるものばかりだったのですが、この女性はきちんと着物を着ていて、なおかつ台詞と口があっていません。
中国では音声別録りは珍しくなく、また中国人の場合でも吹き替えになっていることもあり、音声と口の動きがあっていないことは多々あるのですが、どうも口の動きが中国語のようではありません。おまけにこの女性、どこかで見たことあるぞ…としばらく考えて気付いたのが真理アンヌ! なんということでしょう。上海のテレビで彼女を見るなんて…と驚いていたら次に峰岸徹の姿が!! さらに笑福亭松之助や大島智子までも…。おおっ、これは絶対見逃せない!とエンドロールまで見ていたら、ちらっと板尾創路の姿。
私事ながら14歳になる息子が板尾創路ファンなもので、まだ夏休みだった我が家は大騒ぎ。肝心のストーリーをすっかり無視して、とってもミーハーな数日を過ごしました。
話の始まりは1913年、日本の関東軍少佐・三浦の家の使用人であった中国人女性が、三浦の子供を身ごもり、旅順で双子の男の子を生むところから始まります。後に、兄は三浦によって強引に日本へ連れ去られ、弟はそのまま中国で生きることになります。その後、妻子を捨てて日本への密入国を果たす弟は、兄を殺してしまうことになり、彼は兄になりすまして日本で暮らし、三浦少佐が残した戦時中に略奪した金銀財宝の宝の地図を手に入れるのでした。
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