中国のお正月は旧暦で。
2005年1月15日
中国では生活の中で太陽暦を使用しているものの、大切な行事など元からある習慣に基づくものは、今でも旧暦(太陰暦)を使用しています。
例えば5月5日の端午の節句。日本では太陽暦の5月5日にお祝いしますが、中国では旧暦の5月5日にお祝いします。同じようにお正月も旧暦でお祝いするわけですが、太陽暦も使用しているため、太陽暦の新年を迎える日を「元旦」と呼び、旧暦の元旦を「春節」と呼称を使い分けてよんでいます。そう、本来は「元旦」と「春節」は同じものなのです。
例年だと春節が訪れる直前まで、街のあちこちにクリスマスツリーやサンタクロースの姿が見られていたのですが、今年は早々にそれらの姿が少なくなり、あちこちに中国結の飾り物や酉年にちなんだ鶏のディスプレイが見かけられるようになりました。
酉年は本来良い年であるらしいのですが、今年は日にちの関係で「立春」が無い年となってしまい、立春が無い(つまり春が訪れない)年は結婚や出産には良くないということで、昨年のうちに駆け込みで出産したり結婚届を出した人たちがたくさんいました。
また、日本の皆さんの中には、中国のお正月=「水餃子」と思っている方がとても多いようですが、水餃子は主食が小麦である北方の食べ物で、中国全土で食べられているものではありません。
私の住む上海は、もともと新しいものをどんどん吸収していく土地柄である上に、何代も前からいるのではない「新上海人」と呼ばれる住民が増えているために、これといった定番メニューがなく、家々でのご馳走の内容は様々なようです。
しかし、一番大切なのは家族・親族の団らん。日本でいうところの、大晦日にはみんなで食事(年夜飯)をとりながら「春節聯歓晩会」(中央電視台)という歌やコメディ、雑技など盛り沢山なテレビ番組を楽しみます。近年は日本と同じように、電話や携帯電話のショートメールで新年の挨拶をする人も増えましたが、やはりみんなでテーブルを囲むのは、とりわけお年寄りには嬉しいものです。
騒音公害と環境汚染の問題から、都市部では制限がある爆竹も、長い風習には欠かせないものなので、なんやかんやと言われつつも街のあちこちで響き渡り、中国のお正月はとてもにぎやかです。今年の春節は2月9日。今年もあちこちで人々の笑い声と爆竹の音が鳴り響くことでしょう。
|