さらに「九雌十雄」と言われ、今の時期(旧暦9月)は卵をもっているメスが美味しく、11月に入ると白子を抱えるようになるオスが美味しいとされています。
今回ご紹介する写真は残念ながら「陽澄湖産」の蟹ではないのですが、同じように上質とされている江蘇省太湖の大閘蟹の、蒸した後の甲羅の刻印部分です。調理はいたってシンプル、生きた蟹を生姜もしくは紫蘇と一緒に蒸す(もしくは茹でる)だけ。あとは、オレンジ色の甘ーくて濃厚なミソを中国鎮江産の黒酢と刻んだ生姜でいただきます。
黒酢のほのかに残る苦みとミソの甘さのバランスが絶妙で、鎮江黒酢が苦手な人でも病みつきになること間違いなしです。食べはじめたら、食卓は蟹を食べる音以外は物音一つなく、爪や足はメインではありませんが、しっかり最後まで美味しくいただきます。
大閘蟹は体を冷やす食べ物だと言われているので、食べる時には体を暖めてくれる生姜を一緒に摂ることをお忘れなく。また、手についた匂いは中国の有名な緑茶、龍井茶(ロンジンチャ)で洗うととれますのでぜひお試しあれ。
●from 上海在住の二姐:profile
上海人の夫を持つ大阪人。街を探険するのが大好きで、地図とデジカメをかばんに忍ばせてあちこち歩いてまわっています。めまぐるしく変化し続けて街のにおいを失いつつある上海の、あちこちに残る「上海くささ」をお伝えできれば嬉しいなあと思います。
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