紅楼夢の世界に浸ってみよう
−上海大観園
2006年5月15日
中国の四大古典小説をご存知ですか? 日本で一番知られているのは、おそらく孫悟空でおなじみの『西遊記』と、ゲームのヒットで若い年代に大変人気のある『三国志演義』でしょう。原文で読んでみたいと言う、留学生の青年に出くわしたことがありました。『水滸伝』は北宋の時代に起った国を救うために反乱を起こした豪傑たちの話。
そして、今回ご紹介する施設にゆかりのある作品が『紅楼夢』。清朝の時代に書かれたもので、当時だけでなく現在も中国の人々に多く読まれている作品です。舞台は上流社会、栄国邸の貴公子・賈宝玉と従姉・薜宝釵、従妹・林黛玉との愛情の起伏を軸に、多くの美女が登場する、一大恋愛小説と言えるでしょうか。
この作品の主要な舞台となるのが「大観園(ダー・グアン・ユエン)」という大きな庭園で、これを再現したもので有名なのは、テレビドラマの撮影にも使われた北京の「北京大観園」と、上海にある「上海大観園」です。
上海大観園は市郊外の淀山湖東岸にあり、敷地面積9ヘクタール、1984年に公開が始まりました。建設にあたっては専門家による時代や小説の考証もなされ、国家級の一大テーマパークの位置づけで人々の文化向上推進の後押しをしています。また、国内のあちこちから「紅迷」と呼ばれる『紅楼夢』ファンたちが訪れ、その世界に浸りながら、ゆったりとした時間を過ごしています。
建物の部屋の一部には登場人物の蝋人形が置かれ、エピソードを再現しているのですが、その人形の首から名札がぶら下がっているのはちょっとおかしかったかな。でも、私たちのような『紅楼夢』初心者には、ありがたいことです。清朝の服を着て写真を撮ることのできるコーナー(有料)や、歌を聴くことのできるコーナーもあります。
また、近くにはさまざまな野外活動が楽しめ、航空母艦を見学することもできる「東方緑舟」や、観光スポットとして人気のある水郷「朱家角」(ジュウ・ジィア・ジャオ)と「周庄」(ジョウ・ジュアン)もあります。
あなたは貴公子? それとも美女? 『紅楼夢』を読んだことのある人もない人も、すこ〜しだけ雅な世界に浸ってみませんか。
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