上海の皆さんも日本映画を楽しんで
第10回上海国際映画祭開幕
2007年6月16日
今年で第10回目を迎えた上海国際電影節。特に今回は、日中国交正常化35周年を記念した活動の一環として、「日本映画週間」が同時に開催されることになりました。2005年から2007年に公開された13作品が、期間中に上海市内の映画館でそれぞれ上映されます。
映画祭参加作品上映初日の今日、私も早速『不公平』(『アンフェア the movie』)を観てきました。土曜日の人通りにぎやかな昼下がり、人民広場近くにある映画館での上映ですが、まだ開幕式が行われていなかったので、人の入りはどうなんだろうと不安でした。同じ映画館では人気の『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』が上映されており、チケット売場でもそちらのチケットを購入するカップルが圧倒的のように見えました。
もしかして観客は皆日本人で、それも少数だったりして…なんて、同行していた娘と話していたのですが、実際に座席についてみると、周辺から漏れ聴こえる声の大半は中国語。上映10分前には3割程度しか埋まっていなかった座席も、時間が迫るに連れてどんどん埋まっていきました。
テレビで観る外国作品は、映画もドラマも皆吹き替え版ですが、映画館で観るそれはオリジナル。それを、皆は電光掲示板の中国語字幕を追いながら観ていきます。おもしろかったのは、シリアスなシーンにちょこっと混じるユーモラスな動きに対して、日本人なら小さな声でクスッと笑うところを、中国の人たちは大きな笑い声で反応すること。同じ作品を観ても、反応の仕方がこんなに違うんだなと感じさせられるところが他にも何カ所かありました。
残念だったのは、エンドロールが出始めたところで映画館がライトをつけてしまったこと。大半の観客は、それで席を立ってしまいました。それでも最後まで座って観ている人たちもいて、その人たちは、めでたく映画の本当のラストシーンを観ることができました。
映画を観た後は、映画祭の開幕式会場となる上海大劇院の前を歩いてみました。「星光大道紅地毯儀式」と呼ばれる、映画人がレッドカーペットの上を歩いて会場に入って行く時間は夜7時からだというのに、午後3時半の時点で、すでに大劇院の前はファンや野次馬でいっぱいです。生中継のため、リハーサルを熱心に見入っている人たちの姿が印象的でした。
今回は、私たち日本人からしてもどれを観ようか悩んでしまうほど、すばらしい作品ばかりが上映されます。上海の人たちにも海賊版のDVDではなく、迫力あるスクリーンで「本当の」日本映画を楽しんでもらえればと願います。
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