2006.1.23
キャピタル東急ホテル(赤坂)
今年最初の記者会見が、現在公開中の『SPL/狼よ静かに死ね』。大ベテランのサモ・ハンが黒社会のドンという初の悪役に挑み、特捜警察チームのサイモン・ヤム、ドニー・イェンらと対決する物語。双方の人間ドラマも描いた濃厚な香港ノワールに、ドニーが演出するマーシャルアーツを組み込んで、これまでのノワール作品とはひと味違った作風に仕上がっています。
今回、来日したのはサモ・ハン、ドニー・イェン、それに冷酷な殺し屋役で登場したマーシャルアーツ界の若手ホープ、ウー・ジン。飛行機の到着が遅れたために、サモ・ハン抜きで会見がスタートし、途中でサモ・ハン登場というハプニングもありましたが、マーシャル・アーツで結ばれたこの3人。互いに敬意を表しつつ、熱く語ってくれました。
司会「アクション監督として、サモ・ハンさん、ウー・ジンさんとの対決シーンはどのように捉えていきましたか?」
ドニー「アクション映画に関しては20数年のキャリアを積んできましたが、毎回が新しいチャレンジと思って取り組んでいます。今回は先輩のサモ・ハンさん、新人のウー・ジンさんとの共演なので、最初から楽しみでとてもわくわくしていました。私の演出によって、これまでに見たことのないお二人の一面を見せたいと思って撮りました」
司会「ドニーさんとの対決シーンはどのように作っていきましたか?」
ウー・ジン「先輩のドニーさんと共演できてとてもうれしかったです。対決シーンはありましたが、二人とも命がけで演じました。3人の中では私が一番若輩なので、このように信頼しチャンスを与えてくださったことに感謝しています。今回の映画では、新しいアクション映画のスタイルを確立しようとしていました。一生懸命やりましたが、相手に傷をつけないよう理性と感情の葛藤がありました」
…と、ここで遅れて到着したサモ・ハンが登場! 会場は大拍手&すごいシャッターの嵐! そして、大きな巨体にピンクのシャツと黄色いネクタイが、ふくよかな笑顔とマッチして華やかなムードに。壇上にあがるなり、ドニーやウー・ジンと再会を歓び抱擁を交わしていました。
サモ・ハン「Hello! Hello, everybody! How are you guys?(皆さん、こんにちは。お元気ですか?)」
司会「初の悪役で素晴らしいアクションでした。日本では今ちょいワルおやじという、不良ぽい中年男性が流行っているのですが(会場笑)、サモハンさんはまさにぴったりですよね。どうやったら迫力ある男性になれるのでしょう?」
サモ・ハン「わかりません(笑)。でも、長年応援してくださっているファンの皆さんには感謝しています。俳優としても監督としても仕事してきましたが、いろんな役に挑戦できるのはいいことだと思います。これまではずっと善玉をやってきたのですが、そろそろ悪役もやってみたかったので、今回は映画の中で悪いことをやってみました(笑)」
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●作品のキーワードは「親子」と思ったのですが、皆さんが考える親子のあるべき姿とは?
サモ・ハン「理想の親子関係は、家庭環境によって基準が変わってくるでしょう。子どもがどんなに成長しても、暖かい親子関係を保てることが人生最大の幸せだと思います」
ドニー「私も先輩であるサモハンさんの意見に賛成です。ちょうど数日前に娘が誕生日を迎えたばかりで、正直に白状すると、これほど一生懸命映画を撮ってきた原動力は、家庭への思いや娘への愛なんです。どんなに苦労しても、疲れていても、電話の向こうで『ダディ!』と呼ばれると、疲れが吹き飛ぶくらい娘と家庭を愛しています」
ウー・ジン「私の父も武闘家なので、子どもの頃は乱暴に扱われたこともありましたが、今は友だちや兄弟のような関係になっています。外で撮影していると怪我をすることもありますが、そういう時こそ『大丈夫だよ。スタッフの皆さんもやさしいし、元気だから心配しないで』と父にいつも電話するようにしています」
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