連理の枝の前に立つチェ・ジウとチョ・ハンソン
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2006.2.14
セルリアンタワー東急ホテル(渋谷)
日韓ほぼ同時に公開が始まった『連理の枝』。主演のチェ・ジウとチョ・ハンソンを招いた記者会見は映画が完成する前の2月14日、バレンタイン・デイの日にいち早く渋谷で行われました。まだ完成した映像を観ていない二人でしたが、演じた経験から作品への手応えはあった様子。そして完成した映画は、二人の印象通りに仕上がっていました。このバレンタイン会見の模様を、4月7日のジャパン・プレミアで来日したキム・ソンジュン監督への単独インタビューと合わせてご紹介します。
司会「まず、それぞれの役柄を紹介してください」
ジウ「私が演じているのはハン・ヘウォンという役です。彼女は死を目前にしているのですが、自分が手に入れた最後の愛を、死の瞬間まで放棄することなく常に明るく強く生きていく女性です」
ハンソン「私が演じたのはイ・ミンスという役で、あるゲームソフト会社のCEOを務めています。そして、ややプレイボーイ気質の男性です」
司会「この映画の見所は?」
ハンソン「死を目前にした女性を愛する男性が、だんだん変化していく様子をぜひ観ていただけたらと思います。それまで彼は人生のすべてが容易に動き、多くのことは簡単に解決すると思っていました。それが、ある女性との出会いの後で少しずつ内面的な変化をとげていき、真実の愛は何かということを見い出していきます。そういうところを観てください」
ジウ「これまでによく演じてきたのは、皆さんがよくドラマでご覧になったような、どちらかとういと男性に対して受動的な女性なのですが、今回『連理の枝』で演じたのは、死を目前にしていても、あくまで自分の人生や生き方に能動的で明るく、自分の愛も含めたすべてを成就させようと奮闘する女性です。映画の中では、ミンスという男性とのいろいろな素敵な形の恋愛模様を楽しんでいただけると思います」
ここから、質疑応答へ。
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バレンタインの特製「連理」チョコを前に
すっかり息の合った様子がちらほら
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撮影前に、お互いの演技について話合いをされたそうですが、どういう話をされたのですか?
ジウ「今回の映画では二人がデートする場面がたくさん出てきます。なので、そういうシーンができるだけ自然に見えるよう、なるべく早くチョ・ハンソンさんと親しくなろうと努めました。そういう意味でいろんな話合いをしました。あくまでも演技ではなく、ほんとうに二人が自然なデートを楽しんでいる姿を見せるよう努力しました」
ハンソン「撮影中に、お互いの場面をチェックすることもありました。演技的にここはこうした方がいいだろうという話もしました。感情表現が多く要求される作品でしたので、そういう面でもいろいろな話をしました」
演じてみて自分に似ている所はありましたか? また、役作りで一番難しかった所は?
ジウ「ヘウォンは私自身とまったく違うというよりは、むしろ私自身が本来持っている性格がたくさん出ているのではないでしょうか。デートをしたり、ちょっと悪戯っぽい姿を見せる部分もありますので、そういう所では普段の私を感じていただけると思います。難しかったのは病気を抱えているということで、痛みは精神的にも肉体的にもあるのですが、それを隠して明るく振る舞う感情表現や感情の変化を見せる部分が難しかったです」
ハンソン「イ・ミンスはゲームソフト会社のCEOで、ゲームが好きなので、その部分では私自身と似ていると思います。難しかったのは、ミンスは死を目前にひかえた女性を愛して、その女性を送りだすというとても辛い役所なんですが、その感情の起伏を表現するのが大変難しかったです。自分としては一生懸命取り組んだつもりですが、果たしてどういう風に写っているか、私も早く観たいです」(注:この時点ではまだ作品は未完成)
撮影は大変だったそうですが、撮影中の苦労話をお聞かせください。
ハンソン「寒い季節の撮影で大変でした。特に大変だったのは、窓際で雨に打たれながら『愛している』と3回叫ぶシーンです。1日中、夜遅くまでかかった撮影なんですが、雨が降る寒い中、最後には体が硬直してしまって肩もパンパンに張ってしまいました。そんな中で、チェ・ジウさんが『がんばれ』と励ましてくださったので、大変ありがたかったです」
ジウ「最後のシーンは済州島で撮影したのですが、丘になっている所でかなり風が強く吹いていました。そのシーンはとても感情を込めなくてはならないので、緊張することが重要だったのですが、私たちが集中できないといけないと思って、スタッフの方たちが風よけになってくださり、その時はジーンとしました。やはり全般的に風が強かったり寒かったりという所が大変でした」
お互いに共演した印象をお聞かせください。
ハンソン「最初にチェ・ジウさんと共演すると聞いた時は、若干プレッシャーも感じましたし、多分気難しい方なんじゃないかなと不安もありました。でも、実際にお仕事が始まるとそういう気持ちは消えていきました。とても性格のいい素晴らしい方ですし、後輩に対する配慮や現場の雰囲気を盛り上げていこうとたくさんの気遣いを見せてくださいました。おかげで、とても楽しい現場になりました。ほんとうにありがたいと思っています」
ジウ「チョ・ハンソンさんは実年齢よりも成熟していて、ちょっと大人っぽい面を持っていると感じました。なので、一緒に演技をする時も難しいことはなく、むしろとても息の合うパートナーでした。演技の上では特に、目の光がとても魅力的だと思いました。映画でも悪戯っぽい面を見せたり、紳士的な面を見せたりする所がありますが、その時々の目の光がとても魅力的で、現場自体もとても楽しくて面白いし、よいパートナーに出会ったと思いました」
司会「チェ・ジウさんはドラマではメロドラマに出ておられますが、今回映画でもメロドラマに挑戦しようと思った決め手は?」
ジウ「よく聞かれます。今までずっと恋愛メロドラマを演じてきたのに、どうして映画でまた?とよく言われるのですが、それはこれから実際に『連理の枝』を観ていただくと感じていただけると思います。同じ恋愛ものでも、こんなに違うんだなと。最初でも少し触れましたが、今までのドラマの中での姿とは少し違って、この作品の中ではどちらかというと男性がドキっとするような女性を演じています。もちろん悲しみもあるのですが、その中に楽しいことや幸せのすべてが複合的に含まれている、そういうメロドラマになっていると思います」
司会「最後に、日本のファンへメッセージをお願いします」
ジウ「『連理の枝』には笑いもあるし感動もあります。ご覧になればきっと恋をしたいなあと思われるでしょうし、現在恋をしている人はその恋を大事に守っていきたいなと思われるでしょう。たくさんの方に観ていただければと思います。どうぞ、ご期待ください」
ハンソン「今、チェ・ジウさんがいいコメントをくださいましたが、そのとおりだと思います。この作品には悲しいメロドラマという要素もありますが、それ以外にもとてもハッピーで楽しい要素もある複合的な楽しい作品になっていますので、そういう部分をぜひ観ていただきたいです。今回はとても一生懸命取り組みました。大変なこともたくさんありましたが、とても誠心誠意を込めて作った作品になりました。たくさんの方に観ていただいて、ご意見を伺いたいです」
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