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ASICRO FOCUS file no.39

チャングムがやって来た!イ・ヨンエ来日記者会見

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かわいらしさと清楚さが魅力のイ・ヨンエ(全身)
 質疑応答では、答える前に必ず毎回「アンニョンハセヨ」と笑顔でご挨拶。質問した記者たちはうっとりしたことでしょう。

 このドラマで国民的人気を得た後、『親切なクムジャさん』という大変野心的な映画に出演されましたが、今後の作品選びやどのような俳優をめざしているのかを教えてください。

 ヨンエ「『宮廷女官チャングムの誓い』は自分にとっても忘れられないドラマですが、俳優という職業を考えると、常に新しいチャレンジをしていかなくてはなりません。チャングムやイ・ヨンエという既存のイメージを持った方が『親切なクムジャさん』をご覧になると、とても驚かれると思いますが、新しい挑戦として選びました。日本での公開時には、ご挨拶に来られず申し訳ありませんでした。次の作品はまだ決まっていませんが、ご期待にそえるよう、また新しいチャレンジをしていきたいと思っています」

 今日は韓国の「両親の日」だそうですが、何かご予定はありますか?

 ヨンエ「今朝、電話をしたのですがつながりませんでした(笑)。忘れいているのかも(笑)。今日私が日本でファンの皆さんにご挨拶することを、両親も知っていますので、皆さんにいい姿をお見せすることが、両親への一番のプレゼントになると思います」

 答える前に「日本の父の日や母の日はいつですか?」と通訳さんに尋ねていました。


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笑うとチャングムの顔になる。
 韓国では今、スクリーンクォーター制*のことが問題になっていますが、どのようにお考えですか?

 ヨンエ「韓国の文化に関心を持っていただいて、ありがとうございます。韓国映画はたくさん作られていますが、私の出演本数は少ないです。幸い、皆さんの記憶に残る映画に出演でき、有り難く思っています。が、映画人や俳優としてはまだまだですので、私が直接意見を言うよりは、このように皆さんとお会いして、ドラマや映画に対して多くの関心をもっていただけるようにすることが、スクリーンクォーター制を正しく理解していただくことに繋がるのではと思います」

 今、関心のあるジャンルやテーマ、演じてみたい役柄を教えてください。

 ヨンエ「チャングムの後で、パク・チャヌク監督の『親切なクムジャさん』を選んだのは、女優として幅広い役、多彩な色を表現ができると思ったからです。このような役は韓国でもそうありませんし、外国にもあまりないと思います。結果として満足のいく出来でしたし、そのくらい熱中して取り組みましたので、もうしばらく休んでもいいかなと思っています(笑)。それで、このように日本へやって来ました。今回日本で学んだこともふまえて、次の作品を選んでいければと思います」

 イ・ビョンフン監督が「長い撮影にもかかわらず、体調も崩さず健康管理に気をつけてくれたことに感謝している」とおっしゃっていますが、健康管理といつも美しくいられる美容の秘訣を教えてください。

 ヨンエ「ありがとうございます(笑)。ドラマは俳優も大切ですが、ドラマ全体を引っぱっていく…船でいうと船長のようなイ・ビョンフン監督が、一番重要な役割をされていたと思います。監督の気遣いや忍耐がなければ、このような作品は生まれなかったでしょう。監督がドラマ全体をうまく引っぱっていってくれましたし、私はドラマを通じてたくさんのことを学びました。撮影は困難を極めましたが、ドラマの人気があったので、それが私を支えるエネルギーになって後押ししてくれたと思います。ただ、ほんとうに大変だったので、撮影が終わったら10日間ほど寝込んでしまいました(笑)。美容に関しては、日本の方がいいものがあると思いますので、ぜひ教えてください」

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退場時、ポスターの前で。
 司会「それでは最後に、ドラマを見ているファンへメッセージをお願いします」

 ヨンエ「このドラマは、日本だけでなくアジア中で大きな人気を得ました。よい作品には国籍や言語や民族を超える力、普遍的な人間としての価値を伝える力があるのだなあと感じました。きっとそういうものが、人間の共通言語として作用していくのでしょう。ですので、韓国ドラマとしてだけではなく、そのような普遍的価値を持つ作品としてご覧になっていただければと思います」

 笑顔のイ・ヨンエはまさにチャングムそのもの! ちょっとはにかんだような、いたずらっ子のような感じがとてもかわいらしく、そしてなかなかユーモラス。インタビューなどを読むと真面目で硬い印象がするのですが、ご本人は極めてソフトで明るく、それでいて清楚な空気感のある、まさに吉永小百合のような印象でした。かつてのCMで使われた「酸素のような女性」という形容は、今も変わっていないかもしれません。

 さて、放映中のドラマの方はこれからまた新たな展開を迎え、毎回が山場の連続で目が離せませんよ。一方で女優としてのイ・ヨンエは、次にどんなカラーを見せてくれるのか、新しいチャレンジにも期待したいところです。


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更新日:2006.5.11
●back numbers

イベントの表記
司会・質問者
ヨンエ(イ・ヨンエ)
●宮廷女官 チャングムの誓い
原題『大長今』(全54話)
韓国MBC制作。2003年9月から2004年3月まで放送され、最高視聴率57%を記録するスーパーヒット・ドラマとなった。(*下記韓国レポート参照)その後、アジア各国でも放映され、各地でブームを巻き起こす。中近東諸国や欧米でも放映されており、今や世界中を席巻する勢いとなっている。

・2004年3月のレポート
・2004年7月のレポート
STORY
●女官編
朝鮮王朝時代。チャングム(イ・ヨンエ)は宮中の陰謀で犠牲となった母の無念をはらすため、母と同じ水刺間(スラッカン=宮中の食事を司る厨房)の女官となり、母の親友であるハン尚宮(ヤン・ミギョン)の厳しい指導の元、少女時代から最高の料理人を目指す。が、ハン尚宮が最高尚宮になったのも束の間、チェ尚宮(キョン・ミリ)らの陰謀で流刑追放され、ハン尚宮は亡くなってしまう。

●医女編
済州島で医女チャンドクと出会ったチャングムは、再び生きる目標を見い出し、宮中に戻るため医女を目指す。武官ミン・ジョンホ(チ・ジニ)の愛に支えられながら、内医院(ネイウォン)の医女として宮中に戻ったチャングムは、医女としての腕を磨き、チョンホと共にチェ一族の陰謀と官僚の不正を暴く。そして、女性として初の王様の主治医にまで上りつめるのだが…。
関連サイト
・NHK番組公式サイト
・韓国MBC公式サイト
*スクリーンクォーター制問題
これまで韓国では、国内の映画産業を保護するため、映画館の国産映画上映日数を年間146日以上と法律で義務づけていた。が、アメリカからの強い要請もあり、今年の7月より義務上映日数を73日にするという政府方針が表明され、俳優たちが抗議の「一人デモ」をリレーで展開するなど、映画関係者が強く反発している。