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ASICRO FOCUS file no.80

「夜の上海」中国映画祭オープニング上映舞台挨拶

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本木雅弘(左)とヴィッキー・チャオ
2007.8.31 バルト9(新宿)

 今年は日中国交正常化35周年ということで、数々の日中友好イベントが開かれていますが、この『夜の上海』も日中合作プロジェクトということで、8月31日より新宿バルト9で開催された「中国映画祭」のオープニング作品としてプレミア上映されました。その舞台挨拶として、主演のヴィッキー・チャオが来日し、本木雅弘と共にスクリーンの前に登場しました。  本木「この作品は上海で撮影したのですが、今年の春に完成しました。ヴィッキーさんとひさしぶりに会えて、大変わくわくしています。これからご覧になるとわかりますが、事実上、ずっとヴィッキーの魅力で引っぱられている映画です」
 それを聞いて、ヴィッキーが「アー!」と驚き、「いえいえ」と謙遜しています。

 本木「ヴィッキーさんには、大陸的おおらかさと、細かく気を遣ってくれる部分があって、撮影中にもたくさん助けていただきました。ときどき、度が過ぎて、お酒を飲みに連れていかれて引っぱり回され、困ったこともありましたが(笑)。でも、チャン・イーバイ監督をはじめ、中国のスタッフの皆さんと共に、たいへん貴重な経験をさせていただきました。なによりも、変わり行くスピードの速い上海の街の風景が、1つの映画として記録されたことも、とても貴重なことだと思います」

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本木「本日はおめでとうございます。これからも日中の間で文化的に刺激しあって、より多くの素敵な作品が生まれることを希望しています」*左は女優のジュ・ユエンユエン(朱媛媛)さん

本木さんは、中国映画祭の開幕式にも出席しました。左よりチャン・ジャンヤ(張建亜)監督、親善大使の酒井法子、ガオ・フォン(高峰)監督、イン・リーチュエン(尹麗川)監督、ジュ・ユエンユエン(朱媛媛)、本木雅弘

 ヴィッキー「コンバンハ。今日はまた本木さんに会えて、とても感動しています。これまでいろんな映画に出演してきましたが、共演した男性が必ずしも、私にこのような素晴らしい印象を残すとはかぎりません。(客席笑)中国に本木さんがロケにいらした時、体中で日本人の素晴らしさを物語っている気がしました。とても紳士的なところ、やさしいところ、そして礼儀正しいところ、これは全部、日本人の素晴らしい所ですよね。唯一の欠点は、私をお酒を飲みに連れていったことです(笑)。それ以外は、とても完璧な男性です。

 今日は、この『夜の上海』プレミアに呼んでいただき、また、この映画を皆さんに見ていただけることを、とてもうれしく思います。この映画に出演したということ、外国のスタッフの方たちや出演者の皆さんと一緒に映画を作ったということは、私にとってとても忘れがたい貴重な経験です。ぜひ、この『夜の上海』を気に入っていただければと思います。そして、本木さんと私も好きになってくださいね」(拍手)

 司会「映画では、異国の地で知り合った男女がトンチンカンな会話を繰り広げていきますが、現場では、どのようにしてコミュニケーションを取っていたのですか?」

 あがっているのか、どちらが答えるか、何を話すかで迷っているのか、二人とも譲り合いの間が。質問を確認してから

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質問に答えるヴィッキー(右)くるくる回る大きな瞳が印象的です。
 本木「…(笑)今の間のようなものが、やはり実際に現場でもありまして、『ええと、何をするんでしたっけ?』(笑)というようなことを、聞いてたことがありましたね。時間の軸がちょっとずつ、ずれていくみたいなのを、お互いに楽しんでいるようなところがありました。

 夜のお話ですから昼夜逆転の撮影で、少し皆さんぼーっとしているような感じもありましたけど(笑)。中国のスタッフの皆さんは、日本人と比べると、仕事自身を愛してるっていうか、楽しんでる雰囲気がとてもありまして、そういう意味でネガティブなムードがないんですね。だから、食事も湯気のある内に楽しく食べようみたいな、すごく家庭的なムードで、そういう意味では、包まれているという心地よさがある現場でした」

 ヴィッキー「本木さんは私よりずっと大変だったと思います。私は中国人なので、中国でのロケですし、周囲は全部中国人ですから、そんなに大変なことはありませんでしたが、本木さんはそういう面で、大変な思いをされたと思います。こうして私が本木さんとほんとうに親しい友人になれたのは、全体的に現場の雰囲気をとても愉快な状況にもっていけたからでしょう。中国と日本の人たちが一緒に作り上げて行くということは、私にとっては愉快な作業でした。いろんな辛いことがあっても、この愉快な思い出を胸に刻んでおきたいと思います」

 以上で舞台挨拶は終了。フォトセッションの後で退場していきました。短い舞台挨拶だったのが残念ですが、ヴィッキーといえば、中国ではトップスターの人気を誇る若手4大女優の一人。この作品を通じて、ヴィッキーの魅力や上海の街の魅力がたくさんの方に伝わればと思います。映画『夜の上海』は、9月22日より全国松竹・東急系の劇場でロードショー公開です。


▼『夜の上海』作品紹介

更新日:2007.9.20
●back numbers

記者会見の表記
司会
本木(本木雅弘)
ヴィッキー
(ヴィッキー・チャオ)
俳優プロフィール
本木雅弘
/motoki masahiro


1965年12月21日、埼玉県生まれ。81年にTVドラマ「3年B組金八先生」でデビュー。82年から布川敏和、薬丸裕英とトリオを結成。「シブがき隊」として88年まで活躍する。解散後は俳優業に専念。『シコふんじゃった。』(92)、『RAMPO』(98)、『中国の鳥人』(98)、『スパイゾルゲ』(03)などに出演。日本アカデミー主演男優賞をはじめ、数々の受賞経験を持つ。95年に内田裕也、樹木希林夫妻の娘・也哉子と結婚。2児の父親でもある。
filmography
・226(89)
・ファンシイダンス(89)
・べっぴんの町(89)
・遊びの時間は終らない(91)
・シコふんじゃった。(92)
・RAMPO(94)
・GONIN(95)
・トキワ荘の青春(96)
・中国の鳥人(98)
・双生児/GEMINI(99)
・スパイ・ゾルゲ(03)
・巌流島(03)
・鉄コン筋クリート(06)
・夜の上海(07)
ヴィッキー・チャオ
/趙薇(chao wei)


ヴィッキーのプロフィールはこちらをご覧ください。


緑茶

DVD「緑茶」


*中国映画祭については公式サイトをご覧ください。