チャン「初めてお会いした時は、とにかく穏やかな方だなという印象でした。そして、一緒にお話をしていると、ほんとうに特別な方だと思いました。記憶力がかなり素晴らしいんです。いつどこで、どういう人と会ったというのを、かなり昔のことでもはっきりと語ってくださいます。呉先生が70年前に囲碁をさした時の記録フィルムも一緒に観ましたが、その後で、なんと呉先生は、その70年前の対局をそのまま、1つ1つ碁石を並べてくれたんです。こういう面でも不思議な方、特別な方だという印象を強く受けました。とにかく、1人の人間が1つのことにこれだけ専念し、情熱を持って通すという精神力が素晴らしいと思いました」
Q:日本でロケをされていますが、それぞれお気に入りのロケ地を教えてください。また、苦労した所なども教えてください。
監督「日本でのロケは大変でした。東京では古い屋敷が見つからなかったので、近江八幡の近くで撮影しました。古い歴史を表現するには、古い屋敷や家屋が必要だったのです。近江は東京とは違いますが、その中で私たちなりに工夫しました。好きなロケ地は、日本海ですね。波が素晴らしいです」
チャン「ほとんどを近江八幡で撮影しましたが、僕がわりと好きなのは、囲碁の撮影をしたお寺です。秋なので景色がとても美しかったし、普段はお寺をじっくり見る機会がないので、とても気に入りました。僕自身は、苦労したことはあまりなかったです。名監督との仕事ですから、むしろ楽しみでした。過程をエンジョイできますし、監督自身がとても魅力的な方なので、一緒に仕事をしているクルーの皆さんも、家族のようにまとまっていました。
現場では、撮影時間は長かったですが、仕事はとても順調でした。全員で近江八幡に滞在して、生活環境もよくて、現場も和やかで、仕事もうまくいきました。自分自身の演技にも満足することができました。こういう感覚は、なかなか体験することができません。そういう意味では、このような素晴らしい仕事をエンジョイできる過程やチャンスを与えてくださった監督に、この場を借りてお礼を言いたいです。ありがとうございました」(続きを読む)
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