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リア・ディゾンより花束を受取って。
左より
ジェイ・チョウ
リア・ディゾン
チャン・イーモウ監督
ビル・コン
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Q:アーティストとして、また表現者として、歌う時と演技との違いや難しさがあれば教えてください。
ジェイ「音楽と映画には大きな違いがあります。まったく違う芸術です。例えば音楽を使って物語を描くのは、どちらかというとやりやすい。メロディさえあれば、後は何も要りません。聴いている人たちが頭の中でいろんなことを想像し、いろんな自分の物語を作ることができます。この辺に、とても大きな空間があります。一方で、映像を使って物語を語る場合は、僕もMTVの監督をしたことがあるのですが、とても難しくなってきます。例えば、わずか2、3分の時間しかない中で、ある物語を語っていく、しかも皆にわかってもらうことは、とても難しい。やってみて、映像監督ってほんとに大変だなあと実感しました。
これからはやっぱり、音楽の方にたくさん時間をかけた方が、もっと収穫が大きいかも…と考え(笑)、とりあえず今年は、自分の作品は監督しないと決めました。やはり、いい役者をやろうと思います。役者の立場は、どちらかとういうと監督の要求をよく聴いて、しっかり応えることができれば、気がラクですから」
司会「憧れのチョウ・ユンファさんとの共演はいかがでしたか?」
チョウ・ユンファ | | Film Partner International Inc. |
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ジェイ「とても親しみやすい方です。(監督もうなずいている)以前はもっぱら、テレビを通してお姿を拝見していました。実は撮影の時、不注意にも彼の手を打ってしまい、とても緊張しました。すると彼は『大丈夫。もう1回やろう。もっと力を出してやろう。そのくらい力を出さないと、迫真の演技はできないから』と言ってくれました。そういう経験から、ますますチョウ・ユンファさんを尊敬する気持ちが強くなりました。ほんとうにすごい人です」
Q:チョウ・ユンファさん、コン・リーさんという2人の偉大な俳優から学んだこと、刺激を受けたことがあれば、教えてください。
コン・リーと共演 | | Film Partner International Inc. |
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ジェイ「最初は初対面だったので、すごく大きな距離があると思っていました。2人ともスーパースターですからね。でも、一緒に現場へ行くと、とても身近な存在で、だんだん暮らしの一部分のような懐かしい空間が生まれてきて、とても親しくなりました。共演する時は、僕をどんどん芝居の中に連れて行ってくれたような気がします。映画での僕は新人なので、当然緊張します。でも、多少読み合わせをして、アレンジの組合せをしてからは、すぐに役に入ることができました。自分たちがしっかり演技をするだけでなく、相手役にも一生懸命合わせて導いてくれる、こういう所がやはり、スーパースターの皆さんの素晴らしいところです。現場では、いろんな励ましも受けました。また皆さんと共演できる機会があれば、とてもうれしいです。期待しています」
ここで、『グリーン・デスティニー』『LOVERS』『ラスト、コーション』などなど、次々とヒット作を生み出している敏腕プロデューサー、ビル・コンへの質問が。
Q:ヒット作を立て続けにプロデュースしておられますが、成功の秘訣、当たる企画の嗅ぎ分け方を教えてください。
ビル「成功の秘訣は、一言で言えば、監督が素晴らしいから。素晴らしい作品に仕上げてくれた素晴らしい監督がいたからこそ、成功して来られたのです。私はプロデューサーで裏方なので、映画の成功の鍵は、監督の手腕にあるのです。彼らは脚本の一番の神髄を映画化し、観客に見せているわけです。でも、ご覧になっていないかもしれませんが、駄作もたくさん作っていますよ(笑)」
Q:この作品以外でも、おふたりはビル・コンさんとお仕事をされていますが、この人は凄い、だから成功するんだという瞬間があったら教えてください。
監督「秘訣を1つご紹介しましょう。ビル・コンさんは、とてもいい人なんです。監督との関係もいいので、いい監督たちは皆、ビル・コンさんと仕事がしたいのです。実は僕は、最初からビル・コンさんと仕事をしようと思っていたわけではありませんでした。ちょうどビル・コンさんが『グリーン・デスティニー』を製作した時に、アクション監督を推薦してもらおうとアプローチして、ビル・コンさんに出会いました。そこで映画や脚本の話をしているうちに、だんだん一緒にやろうという方向に発展したんです。
リア・ディゾン、花束と共にフォトセッション(拡大)
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『HERO』以降の作品は、すべてビル・コンさんと仕事をしています。快適な空間の中で、仕事ができるとわかっているので。彼は監督に快適な環境を与えてくれ、困らせるようなことは言わないし、しない。むしろ、助けてくれます。また一方で、映画配給については国際的に素晴らしい人脈やネットワークを持っています。よい監督たちは、こういう部分を期待しているのでしょう。だから、きっと誰もがビル・コンさんと仕事したいと思うんです」
ジェイ「僕はビル・コンではなくて、ボス・コンと呼んでいます。なぜかというと、『王妃の紋章』で初めてビル・コンさんと知り合ったのですが、最初の印象はとてもお金持ちだなあと(笑)。これは冗談ですが、ビル・コンさんはとても人を信頼してくれます。初対面でありながら、僕の理想をビル・コンさんに伝えると、何も言わずに『じゃ、撮りましょう』と一言だけでした。僕は新人でなんの経験もないのに、新人に賭ける勇気をしっかりと持っていらっしゃる。ほんとうに僕は今でも、ビル・コンさんにとても感謝感激しているんです」
ここで、スペシャルゲストの登場。ずっと前からジェイのファンという、歌手のリア・ディゾンが登場して、3人に花束を贈呈します。
司会「今回の映画でのジェイ・チョウさんの感想は?」
リア「もう、すごい…ヤバイ!(笑)ほんとうに…(以下、英語で)ジェイが演じた役柄はとても忠誠心のある人で、母親へ対する愛も感動的で、とてもよかったです」
司会「そのコメントを聞いていかがですか?」
ジェイ「ハズカシイデス(笑)僕は中国語の歌を歌っていますが、世界中の人々に聞いていただけてとてもうれしいです。ファンとおっしゃってましたが、実際にお会いすると、とても恥ずかしい気分です。ハズカシイ…」
と、照れ顔で「ハズカシイ」を連発するジェイでした。さて、映画の方はもう公開中となりましたが、監督が話していたように、豪華絢爛な舞台の中で渦巻く骨肉の争いと陰謀、その落差は充分に堪能できます。総重量40キロ(!)もあるという黄金の衣装を、あたかも布のごとく着こなすチョウ・ユンファとコン・リーもさすがです。そして、広大な広場に敷き詰められた菊の花の数々、黄金の兵士たちを率いるジェイの勇姿…と見どころはたっぷり。ぜひ、大スクリーンでご覧ください。
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