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ASICRO FOCUS file no.114b

レオン・カーファイ来日記者会見

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審査員として来日したレオン・カーファイ
2008.11.22
朝日ホールスクエア(有楽町)

 11月末に開催された第9回東京フィルメックスの審査員として、俳優のレオン・カーファイが来日。朝日ホールでの開幕式典の後、会場を移して簡単な記者会見が開かれました。シリアスな文芸ものから、香港ノワール、人情ドラマにコメディと、多彩な活躍を続けているレオン・カーファイ。最近では、フィルメックスでお馴染みのジョニー・トー監督作品にも出演が続き、ますます演技の幅を広げているようです。

 とはいえ、日本のファンやマスコミの前に登場するのは、ほんとうに久しぶり。記者たちがワクワクドキドキしながら待つ会場へ、レオン・カーファイは、なんと髪を真っ白に染め、鮮やかなグリーンのスーツで登場したのでした。まずは、司会役の市山尚三さんから質問が。

 市山「審査員としての来日は初めてですが、作品を評価する上で最も重視するのは?」

 カーファイ「映画を観るということは、映画全体を評価するということなので、どの部分ということはありません。特に今回は主演男優賞や主演女優賞を選ぶわけではないので、映画全体をどう評価するか。それをしっかり見極めたいです」

 市山「昨年のフィルメックスで上映された『天使の眼、野獣の街』(『アイ・イン・ザ・スカイ』のタイトルで上映)は審査員特別賞を受賞しましたが、レオン・カーファイさんはインパクトの強い演技をしていました。役作りで工夫されたところや、撮影時の思い出深いエピソードがあれば、教えてください」

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 カーファイ「役者をしていて一番幸運なのは、様々な作品によって、別の人物になれることです。『天使の眼、野獣の街』で演じた役は、これまでにまったく演じたことのない役柄で、私にとってはチャレンジの1つでした。撮影では時間がなかなかなくて、皆とても緊張を強いられました。そんな中でも、役にしっかり入り込むことができた。僕にとっては、とても幸せな撮影でした」

 市山「大スターなのに人込でのシーンが自然に撮影されています。野次馬が寄って来たり、大騒ぎになったりはしないのですか?]

 カーファイ「この頭を見てください(笑)。先ほども言いましたように、役者にとって別人になれるのは幸運なことなんです。様々な監督のおかげで、いろんな人物になることができるのですから。香港というのは、日本や他の国と違って、僕ら俳優もしょっちゅう街に出ているので、その辺をぶらぶらしていても大丈夫なんですよ(笑)」

 ということで、ここから記者による質疑応答。早速、その髪の色に関する質問が出ました。

Q:その髪は撮影のためですか?

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 カーファイ「(いたずらっぽく)人に見つからないように、なるべく人目を避けるためです。髪を違う色にすれば、見つからないと思ったのですが、この役は失敗。やはり見つかってしまいました。とても残念です(笑)」

 もちろん冗談でしょう(笑)。

Q:最近は中国大陸資本での大作がどんどん作られていますが、どう思いますか? 香港の映画人としてはどうしていこうと思っていますか?

 カーファイ「今回の金融危機によって、おそらく西洋の資金を映画に投入することは難しくなるのではないかと思います。投資家がなかなか見つからなくなるでしょう。そういう状況では、我々アジア、中国も韓国もそうですが、アジアの映画界には希望が湧いて来るのでは? 加油!(がんばろう!)」

 次の質問の冒頭で、マイクのコードが絡まっているのを見て「一緒に絡まっちゃった。あんまり仲が良過ぎて…」と冗談を言いながら、率先してコードをほぐすカーファイさん。紳士的かつ庶民的な香港俳優らしく、微笑ましい光景です。 (続く)


続きを読む P1 > P2 ▼『エグザイル/絆』記者会見&舞台挨拶
更新日:2008.12.15
●back numbers

記者会見の表記
司会・質問者
カーファイ
(レオン・カーファイ)
profile
レオン・カーファイ
梁家輝/Tony Leung Ka Fai

1958年2月1日、香港生まれ。香港理工学院でグラフィックデザインを学んだ後、TVB俳優養成所に入学。修了後、友人と雑誌を創刊し、編集者として働いていた時に、リー・ハンシャン(李翰祥)監督の娘と知り合い、『西太后』の主演に抜擢。デビュー作でいきなり、84年の香港電影金像奨の最優秀主演男優賞を受賞する。

その後、本格的に映画を学び、舞台劇にも進出。香港ノワール作品などにも多数出演後、92年の仏映画『愛人/ラ・マン』で世界的に注目される。また、レトロコメディ『黒薔薇vs黒薔薇』(93)で再び金像奨の主演男優賞を受賞している。以後、人気と実力を備えた俳優としてオファーが殺到。その評価は世界的にも高く、日本でも多数の出演作が紹介されている。
filmography
1983
・西太后
1984
・香港ばちあたりコップ
 /仏の顔も四十九日
・雪兒
1986
・火龍/
 ザ・ラスト・エンペラー
1987
・野獣たちの掟
・プリズン・オン・ファイアー
・シティーガール
・奪命佳人
1988
・レーザーマン
・ガンメン/狼たちのバラッド
1989
・アゲイン 明日への誓い
 /男たちの挽歌3
・実録・狼たちの挽歌
・ミスター・ココナッツ
1990
・彼女はシークレット・
 エージェント
・98分署/香港レディ・コップス
・愛在別郷的季節
・古惑大律師
・春秋茶室
1991
・財叔之横掃千軍
・炎の大捜査線
・豪門夜宴
・さらば英雄/愛と銃撃の彼方に
・婚姻勿語
・鬼幹部
・我老婆唔係人
・藍色霹靂火
・契媽唔易做
・神探馬如龍
・大鬧廣昌隆

(次頁へ続く)