ミン・ギュドン監督(左)は5回目の来日。長崎から函館まで、2週間かけて日本全国を一周したことがあるとか。「田舎の静かな風景を汽車に乗って見たのが、とても印象的です」チュ・ジフンは「お花見はしたいですね」。でもスケジュールがタイトなので、今回は自由時間がなさそう。
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2009.3.30 新宿厚生年金会館大ホール(新宿)
18日より公開となった『アンティーク/西洋骨董洋菓子店』。おいしいスイーツと旬のイケメンたちの共演が見どころの1つですが、原作コミックに描かれている世界観をそのままに、心に傷を持った人たちをやさしく包む癒し系の作品にもなっています。3月末に開催された舞台挨拶イベント付試写会で、監督と主演のチュ・ジフンがその魅力を語ってくれていますのでご紹介します。
監督「この瞬間を、ほんとうに首を長くして待っていました。これほど、たくさんの方に席を埋め尽くしていただいたのは初めてで、とても感激しています。この映画を作ったかいがありました。まるで、おいしいケーキを食べたような幸せな気持ちです。ほんとうにありがとうございます」
ジフン「こんにちは。チュ・ジフンです。本来なら共演した他の3人と来られるとよかったのですが、1人で来てしまって申し訳ないです。初めて主演した映画で、韓国で上映された時もとても不思議な気持ちでしたが、日本で上映されることになり、また不思議な気持ちになっています」
司会「原作は日本のコミックスですが、原作との出会いや映画化するにあたって心がけたところは?」
監督「原作と出会ったのは8年くらい前です。チュ・ジフンさんにとって2作目の映画になる『キッチン』を撮った、ホン・ジヨン監督の勧めで読みました。読んでみると、映画や小説にひけをとらないくらい深いテーマがあり、繊細な描写があり、どんでん返しもある。映画にしても遜色のない作品で、きっと楽しい映画になると思いましたが、同時に映画化するのはとても難しいだろうなとも考えました。それで、今隣に入る立派な俳優さんに出会うために、長い間、待っていたんだと思います」(拍手)
司会「物語についてはどんな印象でしたか?」
ジフン「初めてシナリオを読んだ時、とても興味が湧きました。この登場人物は、いずれも心の中に傷を持っている人たちなんですが、私たちと同じように平凡な人生を送っている。そういう描写があり、とてもリアリティを感じたので、この映画はそういったトラウマを追求している映画なんだなと思いました」
司会「このオーナーの役はコミカルな面とシリアスな面がありますが、どういう風に役作りをしていきましたか?」
ジフン「隣に監督がいるので言いにくいんですが(笑)、ジニョクという人物は、場所や相手が変わるとギャップが生じるというか、接し方が変わるんです。アンティークの中にいる時は明るいけれど、実は心の中にトラウマを抱えていて、それが消えることはありません。そのトラウマの部分に集中し過ぎてしまうと、アンティークにいてもそれが出過ぎてしまうので、あまり表に出さないよう気をつけて演じました」
司会「この映画のもう1つの見どころはケーキですが、撮影するにあたって気をつけたところは?」
監督「ケーキは、4人の俳優以外で一番大変なキャスティングでした。状況に合わせてそれぞれのケーキをデザインしたんです。全部で3000個くらいのケーキを使いました。ケーキはほんとうに手がかかり、ちょっとしたことでもくずれるし、照明があたっただけでも形が変わってしまいます。俳優たちが食べますが、NGになるとまた新しいものを用意しなくてはなりません。何日か置いておくとまた形がくずれるし、ほんとうに手がかかりました。チュ・ジフンさんの感情表現の準備がせっかくできているのに、『ごめんなさい。ケーキの準備ができていないので待ってください』ということもありました(笑)」
司会「ケーキとの共演でもありましたが、大変だったことや思い出に残っているエピソードを教えてください」
満席の場内。2階の観客にも笑顔をおくるチュ・ジフン
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ジフン「監督がいいコメントをしてくださいました。自分としては、監督の思い通りに行動できなくて、申し訳なかったのですが(笑)。実は本編に入っていないシーンで、思い出に残っているものがあります。夢を見ているシーンで、生クリームに溺れるというのがありました。ほんとに、頭の先まで生クリームに埋もれて苦労しながら撮ったんですが、残念ながら本編に入らなくて悲しい気分です」(会場笑)
監督「ごめんなさい」
ジフン「ダイジョウブ」(突然の日本語に拍手)続きへ
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