リアリティにこだわるヨンハの映画出演は7年ぶり。(全身を見る)
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Q:今までと違う演技が新鮮でした。地面に埋められそうになるシーンがありますが、あのような惨めな男を演じた感想は?
ヨンハ「そのシーンは2回撮影しました。1回目は監督の配慮で、埋められるまではいかない程度のアクションでした。でも2回目は、もっとハードなひどいシーンにしましょうと僕から要求しました。カン・ヒョンスの情けなさを思いきり出して、もっと切実なピンチの場面にしました。
僕はなるべくリアリティのある演技をしたい主義なので、このシーンでも、もっと激しいアクションやリアクションにしたかったんです。できあがった映画を観てみると、もっと深く埋められるべきだったなとか…まだまだ残念な部分がありますが、とにかく実際に埋められそうになれば、より切実に命乞いをしただろうということで、なるべくリアリティのある雰囲気を出そうと頑張りました」
監督「私もよく覚えています。私はこのくらいでいいだろうとOKを出したのですが、一緒にモニタリングをしている時、パク・ヨンハさんは物足りなく感じたようで、もう一度撮り直そうと提案してきました。監督の立場からすれば、肉体的に辛いシーンや危険なシーンを俳優に要請するのは難しいことなので、俳優の方から撮り直しを提案してくれるのは有難いことです。そういう真面目さや根性が、今のパク・ヨンハを作っているのだと思います」
Q:悪戯をたくさんされたそうですが、具体的にどんなことをされたのですか? 覚えているエピソードがあれば教えてください。
監督「1つ覚えているのは、和食レストランでのシーンです。演出用モニターをセットの外に設置しなければならなかったので、私は外で見ていました。パク・ヒスンさんが(お酒を注文をする場面で)『大吟醸』と発音しなくてはならなかったのですが、なかなか発音が慣れないようでNGをたくさん出してしまいました。NGが出るたびに皆笑いを堪えられなくなり、2回、3回までは私も外で一緒に笑っていたのですが、さすがに8回、9回とどんどん撮影が長引くと、フィルムが心配で(笑)。俳優たちは皆、和気藹々と楽しんでいました。それは撮影の後半頃ですね。最初は、共演する俳優たちが皆親しくなって欲しいと思っていましたが、後半になるともういいと思うくらい和気藹々になってしまいました(笑)」
ヨンハ「ついさっき(おそらく舞台挨拶)も悪戯したんです。もう監督に悪戯するのが暮らしの一部になっています(笑)。監督は大鐘賞で新人監督賞を受賞したのですが、舞台挨拶に呼ばれた時、『お祝いに1曲歌ってもらいましょう!』といきなり振ってみました(笑)。その時の監督のリアクションがすごくかわいくて…少年ぽくて純粋なんです。それが好きでいつも悪戯するんですが、さっきも『あの時に歌わなかったから、ここでどうですか?』とまた振ってみました(笑)」
Q:一発当たって大金が手に入ったら何をしたいですか?
ヨンハ「一生働かなくても困らないくらいの金額だったら、島を買いたい。その島に僕の王国を作ります。王様になるんです(笑)」
監督「皆さんにも宝くじが当たったらどうするかという夢があると思いますが、もしも一獲千金が手に入ったら、まずそのことを誰にも知られたくありませんね。誰にも知られないまま、映画を作りながら今までの生活を平穏に続けます。但し、観客が何人入ったとか興行がどうだったかとかを気にせず、ずっと映画作品の内容に取組みたいと思います。つまり、お金に生活を支配されない人生を歩むのが私の夢なんです」
「監督、話す時は面白いか真面目か、どっちかにしてくださいよ(笑)」と、ここで突っ込みを入れるヨンハに、「僕は欲張りだから、両方入れて話すんだよ」と笑顔で返す監督。だんだん漫才のようなノリに。
Q:まだ見せていない部分や見せたい新しい部分があったら教えてください。監督には、まだ見せていないパク・ヨンハの部分があったら教えてください。
難しい質問に二人ともしばしの沈黙。監督を見て「クッ…」と吹き出しながら「また、戸惑どってますね(笑)」と続けて
ヨンハ「僕自身で自分を変えていくのは難しいので、いろんな種類の作品を選びながら、その中で変身していきたいと思います。僕が変わったかどうかは、その作品を長い目で見て、皆さんが評価してください」
監督「私も同感です。俳優に新しい姿を見つけて欲しいと要求するよりは、ありのままの素の姿の中から新しい部分を導き出すのが監督の役目です。パク・ヨンハさんは演技の幅が広いので、その中で新しい部分を見つけ、『作戦』という作品の中に私が活用したわけです。この記者会見でふざけている様子からもわかるように、パク・ヨンハさんには悪戯っぽい姿、コミカルな面があると思うので、次はもっと軽いコメディで活かせるのではないかと思います」
ヨンハ「演技の幅が広いので、コメディをやれということですか?」とまた突っ込む。
監督「コメディも似合うと思います。日本にはボケとツッコミがあるそうですね。そのツッコミの役割がほんとうにうまく表現できるキャラクターだと思います」
ヨンハ「ありがとうございます(笑)」
お後がよろしいようで…チャンチャン。という感じで、楽しい流れのまま記者会見は終了。写真撮影となりました。エンディングに流れる歌「Money」も軽快なヒップホップで、韓国ではこちらもヒットした模様。シンガーとしてのパク・ヨンハが好きな方には、大きなスクリーンで歌も楽しめるオマケ付。続くコメディ映画(?)にも期待したいところですが、まずは 『作戦 The Scam』をお楽しみください。
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