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ASICRO FOCUS file no.136

『作戦 The Scam』来日記者会見

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緊急来日したイ・ホジェ監督(左)とパク・ヨンハ
2010.1.26
九段会館(九段下)

 16日よりシネマート六本木・心斎橋で上映中の『作戦 The Scam』。パク・ヨンハの7年ぶりの映画出演ということでも話題ですが、イ・ホジェ監督の長編デビュー作でもあり、株をテーマにしたストーリー展開も面白く、様々な登場人物たちのキャラクター・アンサンブルが楽しめる群像劇として、映画ファンにとっても注目です。

 そんな『作戦 The Scam』のプレミア上映会が開催され、主演のパク・ヨンハとイ・ホジェ監督が緊急来日。舞台挨拶の合間に記者会見がありましたので、ご紹介します。共にグレーのファッションで登場した2人。ご挨拶に続いて、まずは司会者からの質問です。

 司会「久しぶりの映画出演はいかがでしたか? 出演のきっかけも教えてください」

 ヨンハ「今まではドラマがメインだったので、久しぶりの映画出演で慣れるのに少し時間がかかりました。この映画を選んだのはカン・ヒョンスという役柄が気に入ったから。脚本の素材も株式という新しいものだったし、とても明るくて軽い、テンポの早い作品というのもよかった。株を知らない自分のような人間でも最後まで楽しく脚本を読むことができたので、あまり悩むこともなく出演を決めました」

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映画PRでの来日は初めてかも
 司会「どんな役作りをしましたか?」

 ヨンハ「キャラクターを形作る上では、物語の前半が重要でした。監督といろいろ話し合って悩みながら作りましたが、結局、普段の自分の姿をそのまま表現することにしました。映画の前半で着ている衣裳の半分以上は、普段自分が着ているものです。僕個人のプライベートな面をそのまま反映させる感じでキャラクターを組み立てました。映画の後半は、これまでにも演じて来たキャラクターだったのでそれほど難しくなかったけど、前半のナチュラルな演技、芝居に見えないよう自然に演じる部分がちょっと大変でした」

 司会「韓国初の株をテーマにした作品ですが、この映画を作ろうと思ったきっかけは?」

 監督「最初から株をテーマにした映画を初監督作品にしようと思っていたわけではありません。私は『オーシャンズ11』のように、犯罪グループが一発逆転を狙うといったような映画が好きなんです。たまたま証券会社に勤めている友人が、株価で悪戯をする作戦というのがあると話していたので、それを映画の素材にすれば面白いのではないかと思い、脚本にとりかかりました。私も最初は株式についてまったく知らなかったのですが、この脚本を書くために勉強してわかるようになりました。株について何も知らなかった主人公が作戦に巻き込まれるという流れには、こういう経験が反映されています」

 司会「パク・ヨンハさんを演出する上で気をつけたことは?」

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イ・ホジェ監督はこれがデビュー作
 監督「カン・ヒョンスというキャラクターは平凡に見えますが、好奇心旺盛で負けず嫌い。でも、自分のバックグラウンドのせいで思うような人生が歩めず、悔しい思いも抱いています。パク・ヨンハさんは一見、とても優しくて親切でジェントルなイメージですが、悪戯っ子のようなところもあり、これまでの出演作品を見てみると、とてもナチュラルな演技ができるのではないかと思いました。それでパク・ヨンハさんのまだ見い出されていない部分、隠れている部分を私が先に見い出そうと提案しました。パク・ヨンハさんもちょうど、いろんな役に挑戦したい、変化が欲しいと思っていたようなので、お互いの意見が合って今回の出演が実現しました」

 司会「監督とのお仕事はいかがでしたか? 現場の雰囲気は?」

 ヨンハ「撮影中も撮影後も、イ・ホジェ監督とはいい関係を維持しています。ほんとうにいい知り合い、または兄のような存在ができて心強いし、自慢できる親しい監督ができてうれしいです。現場の雰囲気ですが、監督はとても辛かったでしょう。僕も含めて共演者全員が悪戯好きだったんです。笑いを堪えることができなくて、NGをいっぱい出しました(笑)。怒られることはなかったけれど、1回だけ『笑うのはこれくらいにして撮影しましょう』と監督に真顔で言われました。それくらい、大笑いしながら撮影していました。監督にたくさん悪戯を仕掛けたことも思い出に残ってます(笑)」

 監督「そう言われるとまるで私が苛められっ子だったみたいですが(笑)、実際、初めての作品だったので緊張もしていたし、融通が利かない面もありました。それをカバーしてくれたのが、パク・ヨンハさん、パク・ヒスンさん、キム・ムヨルさん、キム・ミンジョンさんたちです。共演者の皆さんが現場の雰囲気をリードしてくださったので、新人監督の私でも無難に心地よく撮影できたし、今でもいい友だちとして関係を維持しています」

 なるほど、そんないいムードの雰囲気はスクリーンにも表れており、それぞれのキャラクターが立っているのも、皆が楽しみながら工夫して作っていったんだなという感じ。気持ちよく撮られた作品は観ていても心地よく、現場のいい空気が伝わってきます。さて、ここからは質疑応答へ。(次の頁へ)


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更新日:2010.2.1
●back numbers

記者会見の表記
司会
ヨンハ(パク・ヨンハ)
監督(イ・ホジェ)
プロフィール●パク・ヨンハ
Pak Yongha/朴容夏

1977年8月12日生まれ。94年のドラマ出演で俳優デビュー。「冬のソナタ」(02) のサンヒョク役、続く「オールイン」の主題歌で注目され、日本では歌手としての人気が先行。韓流ブームの牽引役となった。「オンエアー」(08)で韓国ドラマ界にも復帰。本作は7年ぶりの映画復帰作。
filmography
movie
・クリスマスに雪が降れば(98)
・憎くても、もう一度(02)
作戦 The Scam(09)

drama
・テーマ劇場(94)
・愛が花咲く教室(95)
・パリの公園の朝(96)
・母の旗(96)
・START(96)
・ずっと会いたい(98)
・嬉しいクリスマス(98)
・恋歌(99)
・敵たちとの社会(98)
・恋をしましょう(99)
・茶の香り(99)
・愛は誰でもできるもの
 (2000)
・雪花(2000)
・ギプスの家族(2000)
・悲歌(2000)
・うわさの女 (01)
・キス(01)
・冬のソナタ(02)
・Loving You(02)
・太陽と海(香港/02)
・東京湾景(日本/04)
・愛したあとに/サランハンフエ
 (05)
・オンエアー(08)
・ザ・スリングショット
 /男の物語(09)
関連サイト&特集
ポニーキャニオン公式サイト
公式FC Summer Face Japan
WHO 上陸。(05)
プロフィール●イ・ホジェ
1973年1月3日生まれ。米国アート・センター・カレッジ・オブ・デザインで映画演出を専攻し、在学中に第1回アシアナ国際短編映画祭やニューポート・ビーチ・フィルム・フェスティバルなど、国内外の短編映画祭に出品して実力を認められる。

脚本を書くまでに取材に2年を費やしたという本作で長編デビュー。これまでの韓国映画には見られなかった斬新なスタイルが高く評価され、09年の大鐘賞で新人監督賞を受賞。映画界の注目を集めている。