アミト(阿密特)というのは、ピュマ族出身であるアーメイ(張惠妹)の原住民名。2年前の2008年7月は、主演した祝祭音楽劇『トゥーランドット』と同じ赤坂ACTシアターでライブを行ったアーメイでしたが、今回はそのアーメイの分身とも言えるアミトとしての初ソロ・コンサート。ステージもアミトのロックな世界にふさわしい赤坂BLITZに替わり、日本はもとよりアジア各地から集った大勢のファンによるオールスタンディングの熱気に包まれてライブはスタートしました。
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バンド・サウンドをフィーチャーしたアミトにふさわしく、ロックテイストの衣装で登場!(コンサートの楽しみの1つにどんな衣装が見られるかというのがありますが、この日はナント!ずっとこの衣装で唱い続けることに…)
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大歓声の中、まずは民族音楽風のメロディも交えた3曲を続けて披露。マーティのギターソロの合間に休憩し、4曲目の「分生」へ。続くトークは日本語ではなく中国語でしたが、会場のファンたちには通じていたようです。2階のゲスト席には先輩の欧陽菲菲やママ、そして親戚の皆さんも応援に駆けつけていました。
今回のステージはコーラスとバンドのみという極めてシンプルな構成。イケメン揃いのギタリストの中には、日本を拠点に活躍しているアメリカ人ロック・ギタリスト、マーティ・フリードマンもいて、一際目立っていました。コーラス以外は日本のミュージシャンが起用されていたのですが、これは日本だからというのではなく、今回のツアーのオリジナルメンバーとのこと。コーラス4人組もなかなかの迫力で、最強のツアーメンバーが揃っているようです。
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美しいスローバラード「Open Your Eyes」から3曲は、やや欧米風の曲目が続きます。そして、各地から集ったファンたちへ向けてのトーク。「一緒に唱って、踊ってください」と今度はロックなナンバーが続き、「將愛」(オリジナルはフェイ・ウォン)ではジャンプも! 激しく盛り上がった3曲の後で、再びトーク。「アーメイの歌も聴きたい?」とファンの要望に応えて、今度はアーメイのお馴染みの曲がトークを挟んで続きます。
ソウルフルなコーラスメンバーをフィーチャーした「So Good」はヘビーに、「火」は激しくホットに唱い踊り、ヒップホップな「Tokyo Drift」と大ヒット曲「Bad Boy」はメドレーで。ほぼ3曲おきにトークが入り、唱い終っては水を飲み、間奏の合間に休憩するというこのスタイル。他所でのライブを見ていないので比較はできませんが、衣装替えもなくステージに立ちっ放しの構成はおそらく今回だけだったのではないでしょうか。
アミト・スタイルで盛り上がった後は、日本語の歌を3曲披露。「涙そうそう」に続いて、大好きな徳永英明の歌と紹介して「壊れかけのRadio」を情感たっぷりに歌い上げます。そして3曲目は石川さゆりの「天城越え」。もちろん、マーティによるロック・バージョンで、パンチのきいたアーメイのボーカルにはこぶしもたっぷり入っていました。
そして、いよいよラストへ。トークに続いてレゲエ風の「因為有我」からタテノリの「OK」、「三天三夜」ではペットボトルの水を観客に撒き散らし、ハイテンションに盛りあがったままで終了。
いや〜、まさかぶっ通しのステージだったとは…。体力と声量のある実力派シンガー、アーメイだからこそできた快挙です。どれだけ唱っても衰えない姿には、彼女自身もファンであるジャッキー・チュン(張學友)を彷佛とさせるものがありました。
アンコールでやっと軽装に着替えて登場したアミトことアーメイ。ここでバンドメンバーとコーラスを再び紹介します。そして最後は全員で手を繋ぎ、カーテンコールと笑顔で幕を閉じました。
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終ってみれば、約3時間近いライブに。おそらく、アジア各地でのツアーでは会場の規模も大きく、大がかりな仕掛けや演出、衣装…と様々な趣向が凝らされていると思うのですが、ここ赤坂BLITZではそういう装飾を潔く捨てて、純粋に歌と音楽だけが楽しめるステージとなっていました。ファンと一緒にぶっ通しで唱い続けた東京公演は、アーメイにとってもきっと忘れられないライブステージになったことでしょう。
(photo & report/アジコ)
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