Q:アクションシーンが多い中で感情表現をするのは難しいと思いますが、演じる上で苦労したことや、身体作りのトレーニングなどされていたら教えてください。
ウォンビン「今回は苦労したというより、とても楽しみながら撮影できました。今までに経験したことのないジャンルでしたし、あまり試みられたことのないアクションがたくさん出て来たので、大変というよりもとても興味深く撮影することができました。
アクション監督がチャ・テシクというキャラクターを十分に理解しくれていたので、アクションの練習はそれほど大変ではありませんでしたが、演技をしながら、平行してアクションのトレーニングもしていたので、それが少し大変なこともありました。また、アクションを撮っている時は、当然、怪我やアザが付き物なんだなと思いながら撮っていました(笑)」
Q:監督は『母なる証明』を観てウォンビンさんを選んだそうですが、『母なる証明』のどこを見て選んだのでしょう?
監督「ウォンビンさんがこれまでに出演した映画やドラマとはまったく違うイメージを見い出しました。『母なる証明』を通して、軍隊(兵役)を除隊し、男として成長した姿のウォンビンさんを観たわけですが、俳優として変身できる可能性を感じたきっかけになりました。今のウォンビンさんであれば、『アジョシ』のチャ・テシク役を演じ切ることができるだろうと確信しました」
Q:目指している女優はいますか? 日本では今、子役の女の子が人気ですが、日本からオファーがあったら出演しますか?
セロン「目標にしている俳優や女優さんを1人選ぶことはできません。どの俳優さんからも学ぶことがたくさんありますし、皆さんを尊敬しているので、1人を選ぶのはどうしても難しいです。それから…もし日本から出演してくださいというお願いがあったら…まだわかりません」(会場笑)
司会「どんな女優さんになっていきたいですか?」
セロン「深みのある俳優になりたいです。顔がきれいなことを見せる俳優ではなくて、実感をともなった演技をして、観ている人がこれはほんものの演技だな、リアルだなと思えるような演技をしたいです。作品の中で壊れた姿を見せるのであれば、自分自身を捨ててでもそういう姿を作りたいです」
と、11歳でありながら大人の女優顔負けの返答に「もう大女優の予感がしますね(笑)」と司会者。
Q:ウォンビンさんもキム・セロンさんも、ちょっと人見知りするタイプだと思いますが、現場で心の触れ合いを演じるためにどのような交流方法をとりましたか?
ウォンビン「二人が現場で顔を合わせる場面はあまり多くありませんでした。でもキム・セロンさんは、演技をする時はとても感受性が豊かだし、観客に真実や真心を伝えられる眼を持った女優だと思いました。とても考えが深く、そういうところも伝えられると思いました。
一緒に演技をしてみて、とても息が合っていたのですが、現場ではなかなかやさしく面倒をみてあげることができず、申し訳なく思っていました。なので、撮影が終わって、プロモーションでは、いろいろ面倒をみてあげたいと思っていたのですが、なかなかうまくいきません(笑)。でも、今回は共演できてとてもよかったです」
セロン「ウォンビンおじさんは、現場ではとてもよく面倒をみてくれましたし、とても気をつかってくださったので、うまく撮影できたと思います。撮影中はとても楽しかったです」
司会「どんな風に面倒をみてくれましたか?」
セロン「たとえば…寒い時にブランケットをかけてくれたり、お腹が空いた時に食べ物を買って来てくれたりしました」(ウォンビン笑)
Q:韓国では、この作品のおかげで「おじさん」の意味が変わったそうですが『アジョシ』というタイトルに込めた思いは?
監督「韓国でもアジョシ(おじさん)というのは、あまり前向きな意味の単語ではありません。結婚してお腹の出た男性というイメージです。ウォンビンさんがそのアジョシを映画で演じたことで、意味が少し前向きに変わったかなと感じます。映画では、隣に住んでいるおじさんが、血のつながりのない少女を助けるという内容が描かれます。何の関わりがなくても、たとえ血縁でもなくても少女を救うことができるというテーマが、このアジョシという単語に凝縮されていると思い、タイトルに決めました」
Q:日本では「おじさん」というとあまりかっこいいイメージではないのですが、おじさんと呼ばれてどんなお気持ちでしたか?
ウォンビン「まだ、おじさんとは呼ばれたくないですね(笑)。今回はこの『アジョシ』という映画を撮影して、愛の深さというものをもう一度考えるようになりました。愛というのは何か、また新たに理解したような気がします。愛というのは男女だけの愛ではなくて、大人と子どもとの愛もあり得る、お互いに寄り添うように助け合って理解する愛もあり得るのだとわかりました」
Q:ウォンビンさんはお兄さんのように感じますが「おじさん」と呼ぶのに抵抗はなかったですか?
セロン「お兄さん(オッパ)と言えばお兄さんですが、作品に出る時はその時の役名で呼ぶので、今回はアジョシと呼びました」
ここで記者会見は終了。レポートはさらに、新宿バルト9で夜に開催された試写会での舞台挨拶へと続きます。(舞台挨拶へ)
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