司会「演技力のあるウォンビンさんとキム・セロンさんの共演で一緒に仕事をすることを決めた一番の理由と、実際にカメラを回してみて、お二人のどんな所が魅力的だったか教えてください」
監督「『アジョシ』という映画は両面性を持った映画です。男性的で暴力もたくさん登場しますが、この暴力が観客に説得力を持って伝わるには、子どもに対する愛情や二人が心を通い合わせる姿をきちんと描くことができれば、理解してもらえると思いました。ウォンビンさんは、男性らしさと子どもと心を通い合わせられるやさしさ、この両面的な魅力を持った俳優だと思っていたので、セロンさんと出会うことで、素晴らしいコラボレーションになったと思います。セロンさんは、映画をご覧になればわかるように、まだ小さくて若いですが、ほんとうに素晴らしい女優さんで、このようなセロンさんとウォンビンさんの長所がうまく合わさっていい作品になったと思います」
ここからは、記者による質疑応答へ。
Q:テシクはとても深くて複雑な過去を持っている役ですが、どのような人物をイメージして、あそこまでの暗さと神秘的な部分を演じたのでしょうか? 特に、バリカンを使って髪を剃るシーンはどんな心境だったのでしょう?
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ウォンビン「テシクが出るシーンでは、かっこいいアクションもたくさん登場しますし、少女を救って守るということももちろん大切ですが、それ以上に重点を置いたのは、暗いシーンの中でも観客に対して何か希望のメッセージを伝えたいということでした。
隣の家に住んでいる少女は、ある意味、テシクと同じ境遇にいるわけですが、その1人の少女と1人の男がせつない気持ちを交わし合う…観た時に、せつない映画だなあと思ってくれるといいなと。
そしてもう1つ大事にしたのは、テシクの心の痛みと隣の家の少女との心の触れ合いをうまく表現すること。バリカンで髪を剃るシーンについては、テシクは以前、特殊要員だったという過去があります。あのシーンは、自分が元の特殊要員に戻るのだという決意や意思の表れとして演じました」(次頁へ)
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