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ASICRO FOCUS file no.152

『アジョシ』来日記者会見レポート

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ウォンビン(左)と初来日のキム・セロン(11歳!)
2011.8.30
新宿パークハイアットホテル

 昨年、韓国でナンバーワン・ヒットとなった『アジョシ』。いよいよ日本でも9月17日より公開されます。公開に先駆けて8月30日に、イ・ジョンボム監督と主演のウォンビン、キム・セロンが来日。新宿で記者会見と舞台挨拶が行われました。まずは、記者会見の模様をご紹介します。

 ウォンビン「皆さん、こんにちは。お会いできてうれしいです。ウォンビンです。久しぶりにこの『アジョシ』の公開に合わせて来日しました。今回はチャ・テシクという役を演じています」

 キム・セロン「(日本語で!)こんにちは。はじめまして。私は映画『アジョシ』でソミ役を演じたキム・セロンです。この映画を観て、楽しんでください。ありがとうございます」
 かなり練習したのか記憶力がよいのか、流暢な日本語に一同びっくり。大拍手がおこりました。

 イ・ジョンボム監督「皆さん、こんにちは。監督のイ・ジョンボムです。日本へは今回が2度目の訪問です。韓国では1年前に『アジョシ』を公開しましたが、その時のことが思い出されて、今また少し緊張しています。ぜひ、映画を楽しんでいただけたらと思います」

 まずは司会者による質問からスタート。

 司会「今回は初めてのアクションに挑戦するなど、見どころが満載ですが、この作品への出演は脚本を読んで気に入られたからと聞いています。特にどんなところが気に入って、この役に挑まれたのでしょう?」

 ウォンビン「まず『アジョシ』というタイトルがとても気になりました。そして、台本の1ページを開いてから最後まで、ほんとうに興味深く最後まで楽しんで読むことができました。この映画はやはり、たくさんの方がアクションに注目されると思います。もちろん、中には素敵なアクションがたくさん出て来ることが予想できますが、僕はキャラクターに惹かれました。テシクというキャラクターが持っている心の痛みや、隣りの家の少女であるソミとの心の触れあい、そういった内面が脚本にうまく表現されているという印象を持ちました。この映画でテシクが表現しようとしている新しい愛とは一体何なのか? そういうことが気になり、魅力を感じたので、この作品を選びました」

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(c)2010 CJ Entertainment Inc. and United Pictures
 司会「キム・セロンさんは、ウォンビンさんと共演する前と後ではどんな風に印象が変わりましたか?」

 セロン「最初にウォンビンさんに会う前は、テレビなどをあまり見ないので、よく知らなかったのですが(ウォンビン苦笑)実際に会ったら、とても有名なだけでなく、とてもやさしくて、いろいろと気を遣っていただき、いい方だなあと思いました」

 司会「演技力のあるウォンビンさんとキム・セロンさんの共演で一緒に仕事をすることを決めた一番の理由と、実際にカメラを回してみて、お二人のどんな所が魅力的だったか教えてください」

 監督「『アジョシ』という映画は両面性を持った映画です。男性的で暴力もたくさん登場しますが、この暴力が観客に説得力を持って伝わるには、子どもに対する愛情や二人が心を通い合わせる姿をきちんと描くことができれば、理解してもらえると思いました。ウォンビンさんは、男性らしさと子どもと心を通い合わせられるやさしさ、この両面的な魅力を持った俳優だと思っていたので、セロンさんと出会うことで、素晴らしいコラボレーションになったと思います。セロンさんは、映画をご覧になればわかるように、まだ小さくて若いですが、ほんとうに素晴らしい女優さんで、このようなセロンさんとウォンビンさんの長所がうまく合わさっていい作品になったと思います」

 ここからは、記者による質疑応答へ。

Q:テシクはとても深くて複雑な過去を持っている役ですが、どのような人物をイメージして、あそこまでの暗さと神秘的な部分を演じたのでしょうか? 特に、バリカンを使って髪を剃るシーンはどんな心境だったのでしょう?

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(c)2010 CJ Entertainment Inc. and United Pictures
 ウォンビン「テシクが出るシーンでは、かっこいいアクションもたくさん登場しますし、少女を救って守るということももちろん大切ですが、それ以上に重点を置いたのは、暗いシーンの中でも観客に対して何か希望のメッセージを伝えたいということでした。

 隣の家に住んでいる少女は、ある意味、テシクと同じ境遇にいるわけですが、その1人の少女と1人の男がせつない気持ちを交わし合う…観た時に、せつない映画だなあと思ってくれるといいなと。

 そしてもう1つ大事にしたのは、テシクの心の痛みと隣の家の少女との心の触れ合いをうまく表現すること。バリカンで髪を剃るシーンについては、テシクは以前、特殊要員だったという過去があります。あのシーンは、自分が元の特殊要員に戻るのだという決意や意思の表れとして演じました」(次頁へ)



続きを読む 1 >  ▼舞台挨拶 ▼作品紹介
更新日:2011.9.13
●back numbers

記者会見の表記
司会・質問者
監督(イ・ジョンボム)
ウォンビン(ウォンビン)
セロン(キム・セロン)
profile
ウォンビン
Won Bin/元斌

1977年9月29日生まれ。95年に公開オーディションで芸能界入り。ドラマ「プロポーズ」(97) で注目され、「秋の童話」(99) で一躍スターの座に。映画デビューはチャン・ジン監督の『ガン&トークス』(01)。その後『ブラザーフッド』『マイ・ブラザー』と話題作に出演する。

08年に入隊するが怪我のため除隊。リハビリ期間を経て、09年に『母なる証明』で映画界に復帰。演技派として注目されるようになり、本格アクションに挑戦した本作でも大きな飛躍を遂げている。
filmography
drama
・私たちの物語(97)
モデル(97)
プロポーズ(97)
追憶 もういちど逢いたい…
 (98)
Ready Go(98)
・芸術家の人たち(99)
クァンキ(99)
・彼が駅で降りた(00)
コッチ(00)
秋の童話/Autumn In My Heart
 (00)
フレンズ(02)

movie
・土曜日午後2時(98)
 *特別出演
ガン&トークス(01)
ブラザーフッド(04)
マイ・ブラザー(04)
母なる証明(09)
アジョシ(10)
関連サイト
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