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観客に向かって話すアーミル・カーン(左)とヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督(右)
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2014.10.29 TOHOシネマズ六本木ヒルズ
記者会見に続き、東京国際映画祭での上映前に舞台挨拶が行なわれました。日本の観客の前に立つのは、今回が初めてのこと。まずは満席の観客にご挨拶。
アーミル「ここに来られて、大変うれしいです。初めての日本で興奮しています。こうして映画祭で東京を(Tokyo を Toronto と言い間違え訂正)訪れることができ…ごめんなさい。とても興奮してます(笑)。日本はずっと長い間、訪れたいと思っていました。妻と娘も客席のどこかにいます。(拍手)僕たちは皆、とっても幸せです。暖かく愛情いっぱいで迎えてくださりとても感謝しています」
監督「(またも日本語で)コンニチハ! 映画を観に来ていただき、ありがとうございます。劇場が満席で感無量です。日本に来られてうれしいし、皆さんに感謝しています。どうぞ、映画を楽しんでください。愛情を込めて作った作品ですが、終わった後は皆さんからの愛を持ち帰りたいと思います」
司会「たくさんのオファーの中で、この作品に出演しようと思った理由は?」
アーミル「作品を選ぶ時は、感情移入ができる作品を直感的に選んでいます。脚本がとても気に入ったし、大きなスペクタクルにたくさんのスタントやアクション、サーカス、歌、音楽、ロマンスが盛り込まれています。すべてがエモーショナルでホットだった。そこに惹かれたのが一番の理由です」
司会「アーミルさんと一緒にお仕事をされて、この映画のどんなスパイスになったでしょうか?」
監督「アーミルは素晴らしい俳優だけでなく、素晴らしい人間でもあります。チームプレイヤーとして、監督にとってはとても仕事のしやすい相手でした。映画をご覧になるとわかるように、彼の役柄は簡単なものではなく、多くの才能が注がれています。それを、少しも努力を感じさせずに演じているところが素晴らしい。皆さんが楽しんでくださることを祈ります」
司会「今回はバイクスタントに歌、ダンスがあり、サーカスもあります。たくさんのチャレンジだったと思いますが、そうとう大変だったのでは?」
アーミル「一番のチャレンジはダンスですね。(会場笑)スタントは簡単。僕はダンスが得意ではないけど、インドには踊りの上手い俳優がたくさんいて、この映画には出ていませんが、リティック・ローシャンはダンスがとても上手です。僕はダンスの時はいつも恐くて、ステップのリハーサルではそうとう練習しました。それが、一番恐かったこと。スタントはエキサイティングでした。
もう1つの恐かったことは、サーカスのパートですね。カトリーナと一緒にリハーサルをしましたが、サーカスの場面の80〜90%は自分たちでやりました。スタントの部分はとても少ないんです。僕たちは命綱なしで、40〜50フィートの高さにいました。(驚きの声)でも、リハーサルを頑張ったおかげで、幸いうまくいきました」
Yash Raj Films Pvt. Ltd.
司会「アクションシーンも満載で、特にバイクスタントなど、インドではなくシカゴで撮影されたそうですが、ぜひエピソードを聞かせてください」
監督「いい方? 悪い方?(笑)スタントは見た目はエキサイティングですが、とても大変な仕事で、細心の注意が必要です。私の現場では、いつも安全装置を付けていないといけません。スタントマンといえども、私の現場では誰も怪我をして欲しくないんです。きちんと計画ができてさえいれば、すべてうまくいきます。
映画をご覧になるとわかりますが、今回はアーミルをかなり危険な目に遭わせてしまいました。もちろん安全性は確保していましたが。上手い俳優ほど命綱をつけたがりません。だから、サーカスの場面のあのようにやってみました(笑)。
私自身バイクが好きで、最初にバイクを飛ばしたのは、何年も前になります。10代の若者も私たち皆も、スピードやスリリングなことが好きなんです。皆さんには、このスタントとスペクタクルを楽しんでいただけたらと思います。(アーミル「どうか、家ではスタントをやらないように(笑)」)やめてくださいね(笑)。東京でも何人かのライダーを見かけましたが、速いのが好きですよね」
司会「そんな危険なスタントをやられたアーミルさんはいかがでしたか? 怪我はしませんでした?」
アーミル「僕は大丈夫。怪我したのはウダイ(警察コンビのウダイ・チョープラー)です。それほどひどい怪我じゃなくてラッキーだったけど、1、2週間は松葉杖を使って歩いてましたね。それから、アメリカのスタントマンだったと思うけど、飛車シーンで、車で飛び出して一回転した後、着地する時にスピードか何かを間違えて、予定より遠くに着地してしまったようです。それで、病院に運ばれました。怪我はなかったけれど、ショックで失神していました。でも、2時間後にはセットに戻ってたんですよ(笑)。恐かったのはこの2人のことだけで、その他には怪我はありませんでした」(通訳の途中で会場にいた赤ちゃんが泣き出してしまい「僕の答えが気に入らないんだ(笑)」とアーミル。)
司会「では、これから映画をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします」
監督「アイシテマス! どうぞ、映画を楽しんでください。そして、この映画だけでなく、この後も多くのインド映画に触れてもらえればすごくうれしいです。愛と敬意をこめて、この映画を皆さんに捧げます」
アーミル「2、3ヶ月前に、初めて日本の人が僕に気づいてサインを求められ、最高に興奮しました。どうして僕を知っているの?と聞いたら『きっと、うまくいく』を観てファンになってくれたそうで、それで映画が日本で大成功したことを知りました。『きっと、うまくいく』が日本で愛され、このように暖かく迎えてくださったことに、とても感謝しています。ラージクマール・ヒラニ監督とは、また一緒に『PK』(12/19インド公開予定)という映画を作っています。『チェイス!』の後で、この映画もすぐにやって来ると思うので、どうか注目してください。ありがとうございます」
日本で有名になるきっかけとなった『きっと、うまくいく』での成功を喜びながらの舞台挨拶で、次回作の予定も話してくれたアーミル。『PK』がどんな作品になっているかも楽しみですが、その前に、難しいスタントやアクション、サーカスをこなし、さらに複雑なキャラクター(タネ明かしは劇場で)を演じて、様々なアーミルの魅力が楽しめる『チェイス!』を、ぜひ迫力ある劇場でお楽しみください。
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