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JYJのキム・ジェジュンが兵役入隊を目前に、「トライアングル」に続いて主演した話題作が「スパイ〜愛を守るもの〜」。ミニシリーズとして制作された本作は、韓国ドラマには珍しく1話が45分前後、全16話と短いながら、毎回がスリリングな展開で物語の密度はたっぷり。次々とめまぐるしく変化するストーリーや人間関係に、きっと釘づけになることでしょう。それもそのはず。このドラマの原作は、イギリスのガーディアン紙で「2014年あなたが見逃してはならない世界ドラマ6編」に選ばれたイスラエルの傑作ドラマ「MICE」。すでにアメリカではパイロット版（「Allegiance」）としてリメイクされていますが、地上波ドラマとしてリメイクされたのは韓国が初めて。原作者も主演のジェジュンに注目した話題作なのです。
家族には内緒で国家情報院で働くソヌ
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恋人のユンジンには心を許しすべてを話していた
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物語は中国の瀋陽からスタート。国家情報院のエリート諜報員ソヌは作戦に失敗し、仲間が殺されてしまいます。自分も殺されそうになったところを、顔に火傷の痕が残る男から「また会おう」と言われ意識不明に。回復した彼は、プロファイラーとして対北朝鮮の分析班に転属されます。そして、久しぶりの帰宅。家族には公務員と偽り、中国に出張していたことに。ITセキュリティ会社の重役を務める父と厳しい母の元、裕福な家庭に育ったソヌは、ある日、恋人のユンジンを家族に紹介するのでした。ところが、彼女の出身が瀋陽と聞かされ、母ヘリムは不安になります。実はヘリムは瀋陽で暗躍していた凄腕の元北朝鮮工作員。当時、国防省にいたターゲットの父と恋仲になったことで仲間を裏切り、過去を消して生きてきたからです。ところが、かつて殺したはずの上官が現れ、ソヌを渡せと要求。ヘリムはソヌや家族を守るため、スパイ活動をすることになってしまいます。
突然現れたかつての上官に、元北朝鮮工作員だった母は驚く
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ユ・オソンが演じるのは、もちろんその北朝鮮工作員の上官ファン・ギチョル（キ・チョルと似てますね！）。実はかつて、工作員時代のヘリムと恋人関係にあったこともあり、殺されようとしたにもかかわらず、今もその思いを捨てていません。秘かにヘリムの写真を持ち歩く、孤独でせつない工作員でもあるのです。また、北朝鮮も指導者交代で体制が変わり、工作員同士で派閥による裏切りや粛清の嵐が。仲間を使って手をくだしているのがこのギチョルですが、後半ではとんでもない行動に出ます。銃口を向けあった時「迷ったら負けだ」と言い放つ姿は、銃使いのチェ・ウォンシンみたい。もっとも、こちらは卑劣で非情な工作員。同情の余地はないのですが、結末は哀れでした。やはり、ユ・オソンはこういう哀愁を帯びた役が上手い。
若い工作員に新たな指令をくだすギチョル
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信じていたユンジンの正体は?！
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登場人物がほとんどスパイだらけという珍しい作品ですが、見どころはもちろん、ソヌ役のジェジュンと恋人ユンジンを演じたコ・ソンヒの恋の行方。そして、ソヌの家族の家族愛でしょう。特に元工作員だった母ヘリムを演じるペ・ジョンオクの苦悩と、チョン・ウォンジュン演じる身を呈してそれを支える夫の夫婦愛も泣かせどころ。一方でシリアスにもなり過ぎず、例えば主婦であるヘリムの台所での包丁さばきが異常に凄いとか、ユーモラスな演出も挿入されていて楽しめます。また、北の工作員にも国家情報院にも金をめぐる陰謀があり、内部事情はどっちもどっち。そんな中、この家族が生き残るためにとった行動と選択とは？
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