『アバウト・ラブ/関於愛
(クワァン ユー アイ)台北編』に出演。
−メイビス・ファン(茫曉萱)
『アバウト・ラブ/関於愛(クワァン ユー アイ)』のオールキャスト&監督記者会見の前に、台北編で加瀬亮と共演したメイビス・ファン(茫曉萱)に話を聞くことができました。歌手として活躍する彼女が映画に出演するのは10年ぶりで、本作が2作目。17歳のデビュー当時に出演した『非常偵探』(94年/香港)では、超能力を持つ不死身のエスパー少女役で、不思議な魅力を発揮していましたが、その時のかわいいイメージはそのままに、今回は失恋の痛手から立ち直れない女性を演じています。
(以下、質問、メイビス)
10年ぶりの映画出演だそうですが10年もかかった理由は? また、今回の出演を決めた理由は何ですか?
メイビス「私はずっと音楽をやっていましたし、まず最初に音楽での足場を固めたいと思っていたので音楽に集中していました。今回はイー・ツーイェン監督が私を訪ねてくださいまして、自分でも映画を撮っていい時期かなと思い、出演を決めました」
日本人の俳優との共演の感想はいかがでしたか? なにかエピソードはありますか?
メイビス「日本の俳優さんと共演するのは初めてでした。お芝居では、休憩時間に交流などをして、感情や気持ちを暖めていかなくてはなりませんが、やはり初めてで言葉の問題もありましたし、日本の方が普段どういう風に映画を撮っているかというのもわからなかったので、話しかけていいものかどうかもわからず、なかなか話しかけられずにいました。ですが、加瀬さんは私をリラックスさせるために、お茶をプレゼントしてくれたり、私が音楽をやっているのを知っていて、CDをプレゼントしてくださったりと、いろいろと気をつかってくださったので、とてもリラックスしてやることができました」
二人でペンキをかけあうシーンや加瀬さんとの噛み合わない会話が面白かったのですが、お二人の役作りはどういう風にされましたか?
メイビス「基本的に、お互いに気持ちを高めあったことはありません。加瀬さんは寡黙な方なので、言葉をかけていいかどうか迷ったこともありまして、あまり二人で話をすることはなくて、芝居の中でほんとうに言葉が通じないというシーンは、ほんとうにそのまんまで、あまり演技をしたという意識はないんです(笑)」
ペンキがかかって大変だったのでは?
メイビス「ペンキをかけるシーンはすごく楽しかったです。本気になってかけあっていたので、こわいなと思う時もありました。あるテイクの時、目にかかってしまったのですが、監督がカットの声をかけなくてカメラが回っていたのでそのまま続けるしかなくて…あの時はすごく目が痛かったです(笑)」
3作品の中で他の2つ比べると、セリフより眼差しや雰囲気でお互いの気持ちを表現しようとしていたと思うのですが、難しかったところはありますか?
メイビス「難しいかと言われたらそうではありません。ほんとうに言葉が通じないので、ほんとうに自分の目とか体で表現するしかないのです。これを取ってとかこれを上げてというのは、実際、感じたままでやっていたので、それしか表現の方法がなかったのです。実生活の中でも、言葉が通じなければ、目で合図するとかそういう風になってしまいますよね」
本棚を作っている時に踊り出すシーンがありますが、言葉が通じなくても気持ちが通じていれば二人で踊り出すとか、そういう意味があるのでしょうか?
メイビス「踊り出すシーンはもともと脚本になはくて、突然こういう風にやったらどうだろうと監督がおっしゃったのです。まったくストーリーとは関係のないナンセンスな絵をやってみようということで、現場で監督が挿入したシーンです。そこで笑いというか、ちょっと雰囲気を変えようという意図があったと思います」
アスーは夜中に本棚を作ったりしていますが、あなた自身は夜眠れない時にどういうことをしていますか?
メイビス「眠れない時は、ほとんど映画やコンサートのDVDを観ていることが多いです。後は仲のいい友だちと会って、おしゃべりをしたりしています」
どんな映画をご覧になっているのですか?
メイビス「すごく好きなのは文芸的な芸術映画ですが、その日の気分によっては商業的なコメディとかハリウッド映画を観たい時もあります。日によって違いますが、映画はジャンルを問わず、すごく好きです」
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