●撮影時のエピソード
ビルからぶら下がるシーンはほんとうにやられたんですか?
ショーン「あのシーンはほんとうはなかったのですが、現場で急にやることになりました。とても恐かったけど、自分でやりました。監督も僕も、ここは主人公が腹を決めた重要なシーンだと思ったので、挑戦しました」
赤い目はコンタクトですか?
ショーン「そうです。これは目全体を覆うコンタクトレンズです。僕はもともと近視とかがないので、コンタクトはしたことがありませんでした。オーダーメイドで作ってもらい、医者からは30分以上は着けないようにと言われていたんですが、撮影は6時間以上かかったので、着けっぱなしで苦労しました。何も見えなくて…片方は見えるし、片方は見えないので、余計にくらくらしました」
撮影中に怪我はしましたか?
ショーン「もちろんしました。ほんとうは順番通りに撮影したかったのですが、毎日トレーニングしなくてはならないので、一番身体が絞まったいい状態の時に、リングのシーンを撮らなければならず、リングが先になってしまいました。チェンマイでリングを組んでリングシーンを撮り、残りはバンコクに戻って撮る予定でした。当初、リングシーンは12日間で撮り終える予定だったのですが、背中を傷めてしまったので、それが15日になり18日になり20日になり…と、どんどん延びて、その間も撮っているので、また傷めたりもしました」
暴力や格闘技はあまり好きでない?
ショーン「K1を見るのは大好きです」
その魔裟斗さんとの格闘シーンはどうでしたか?
ショーン「悪夢でした。(一同笑)最初は監督と、相手役は本物のK1選手を呼んで来なくてはと話合っていました。映画の中では、自分も鍛えるけれども、勝ち目のなさそうなリアルな雰囲気を出さなくてはなりません。それで、タイの選手も本物を呼んでいたんです。ところが、最初に魔裟斗さんに会った時、一目見て『しまった!』と思いました(笑)。プロのファイターは気迫が違うし、リングに上がった瞬間、別人になるので、これはやばいぞと(笑)」
手が大きいのでボクシングなどに向いていると思うのですが、コーチからトレーニング中に何か勧められませんでしたか?
ショーン「今回、コーチから習ったのは、ボクサーの正しい闘い方やリング上での足さばきといった動きなんです。もし、本気で空手などのトレーニングをやるとすれば、もっと長い時間のトレーニングが必要なので、どれに向いているというようなことは言われませんでした。ただ、ちゃんとリアルに見えるように、K1ならK1の動きがちゃんとできてると思わせるような動きを習っただけです」
運動神経はいい方だと思いますか?
ショーン「スポーツは好きだけど、格闘するのはあまり好きじゃないです(笑)」
ということで、好きなスポーツはやはりバスケットボールだそうです。
●共演者について
ベテランのブルース・リャンや若いディラン・クォと共演した感想は?
ショーン「ブルース・リャンさんは、ブルース・リーに続いて香港の武術家たちに尊敬されている方で、実績もあります。最初にお会いした時は、ちょっと恐かったです。初日がリャンさんとのアクション・シーンでした。もう高齢なので、そんなに動けないだろうと思っていたのですが、撮影が始まると目が点に…(笑)。やはりまだ、素晴らしい動きを維持されています。ただ撮影の合間には、映画の撮影について、どうやったらもっとよくなるかをいろいろ教えていただきました。ディラン・クォさんとの共演は今回が初めてで、あまり一緒に絡むシーンはなかったのですが、彼が台湾で今、どんどん人気が出て実力をつけてきているのは知っています。ぜひ成功して欲しいです」
石橋凌さんはどうでしたか?
ショーン「撮影前に、石橋凌さんの出ている映画は観ていましたが、まさか共演できるとは思っていませんでした。やはり経験豊富で、よい芝居をされるいい役者さんですね。一緒にお仕事できて光栄でした」
●これからについて
日本の映画に出てみたいとおっしゃっていましたが、どんなタイプの映画に出たいですか?
ショーン「日本で映画に出るとしたら、ラブストーリーがいいですね。アクションをやらなくていいから(笑)。共演する女優さんは、どなたでもかまいません」
では、好みのタイプは?
ショーン「どういう女優さんがいるか、よくわからないので…写真をください(笑)。どちらかというと、一緒にいて楽しい人、明るくて朗らかな人が好みです。(ルックスは関係ない?)見た目は…ある。やっぱり美人がいい(笑)」
さすがにモデルだけあって、どんな場所であっても、どんなポーズをとっても、自然にさまになっているところがカッコイイ。
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最新作、次のプロジェクトは?
ショーン「去年7本の映画に出たので、今年はほとんどその宣伝に回ります。宣伝が終わってからでないと、次の作品に出られないので。新しい企画はいくつか来ていますが、まだ選んでいる最中です」
音楽活動の方ですが、今後、新譜を出す予定はありますか?
ショーン「これからも歌うかどうかは、ちょっとわかりません。自分ではやはり俳優が向いていると思うので、そっちに専念したいと思います」
ということで、歌手ショーン・ユーには当分お目にかかれないかもしれませんが、俳優としては、香港映画界の将来を担う実力派若手俳優として、ますます成長していくことでしょう。今、現在は、トラン・アン・ユン監督のグローバルな最新作『I Come with the Rain』で、ジョシュ・ハートネットと共演中。ソフトな役柄からハードな役柄まで、幅広い役柄を自在に演じるショーンですが、『軍鶏』では、そのソフトでナイーブな面を持つ少年から、怒れるファイターというヘビーなキャラクターに変貌していく過程も見ることができます。『軍鶏/Shamo』は5月3日より全国順次公開。ぜひ、劇場へどうぞ。
(取材日:2008年1月31日/アートポート本社にて4媒体合同取材)
(c) 2007 Izo Hashimoto/Art Port Inc./Pony Canyon Inc.
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