次回作も同じキャストによるSF映画を撮影
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Q:トイレが長かったわけではない?
監督「いや、煙草を吸うくらいの長さでしたよ(笑)。だから脚本のクレジットにも、私と俳優たちの名前が連ねられています」
Q:かなり女性不信に満ち溢れた内容のように思いましたが……。
監督「女性不信というよりは、むしろ男性不信について描かれた作品だと思います。主人公ヨンゴンは、結局のところ何も救えないわけです。愛する女性も、自分自身も、地球も。映画の序盤では、彼の精子を奪おうとするというプロットがメインに描かれていますが、究極的には男性の無能ぶりが露呈する物語だと思います。劇中に登場する男たちはことごとく無能であり、エイリアンの実態についても完全には把握していない。つまり男は何も分かっちゃいないんだ、ということが描かれています」
Q:『キック・アス!』や『スーパー!』といった、近年流行のヴィジランテ・ヒーロー(自警団)映画は意識しましたか。
監督「というより、逆にそれとは違うものを撮りたかったんです。この映画ではとても皮肉な状況が描かれます。町を守るヒーローのように登場した主人公が、結局、強姦魔のような行動を犯してしまう。英雄的に振る舞いながら、その役割を」
Q:カメラワークや色彩設計など、ビジュアル的にも見応えがありました。低予算でも画に手は抜かないぜ!という意気込みを感じました。
監督「映画というのは基本的に『楽しむ』ものだと思っています。ビジュアルも重要な『楽しみ』の一要素です。私は美術スタッフとしても商業映画の現場に携わっていたので、美術にはこだわりがありますし、その時の経験が今の映画作りにも活かされていると思います。今回の作品でも、シナリオはありませんでしたが、作品のイメージに関してはみんなが共有し、それを土台に作っていきました」
Q:すでに次回作も撮り終えられているそうですね。
監督「意識したわけではないんですが、次の作品も『時間』という概念を扱ったSF探偵アクションになります。『探偵』という要素に関しては、林海象監督からアイディアをいただきました」
Q:最後に、日本の観客に向けて、何か一言お願いします。
監督「日本の観客の方々に観ていただけるということ自体、とてもありがたく思っています。難しいテーマを扱った作品ではないので、気楽に楽しんでほしいと願っています」
(取材・構成:岡本敦史、素材提供:太秦)
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