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Asicro People

更新日:2009.12.6

●Asicro People ではアジアと日本をつなぐ様々な活動をしている方たちをご紹介していきます。

 では、きっかけはアンディ・ラウなんですね? ご自身はファンでもあるんですか?

 「そうですね。以前から市川雷蔵が凄いなと思っていて、凄い人はクロースアップされるべきだと思う主義で、1990年ぐらいに雷蔵の本をいっぱい出したんです。なので、ファンであると同時に、いいものはさらに多くの人に注目されてほしいという願望が大きいですね」

 伝えたいという思いですね。

 「その素晴らしさを知れば絶対楽しいと信じていますから(笑)。市川雷蔵もそうですし、カトリーヌ・ドヌーヴ、香港ではアンディやレスリー・チャン。レスリーは亡くなられてショックでしたが」

 たしかに。レスリーはほんとうに残念でした。それにしても、市川雷蔵、カトリーヌ・ドヌーブ、アンディ・ラウと、幅広いですね!

 「でも、共通するものがあるんですよね、背景的に…街が生んだ人たちというか。雷蔵は歌舞伎出身なので江戸とか京都の雰囲気を持っている。ドヌーヴはパリですね。アンディは香港。考えてみると江戸や京都、パリも香港も食べ物が美味しくて、粋な芸能・大衆文化が盛ん。エンターテインメントの要素が全部凝縮されたような街で、そこから生み出された人たちというのを感じますね」

 なるほど! 都市を象徴する人という訳ですね。

 「アンディは、エンターテイナーとして中華圏では突出した存在だと思います。信じられない数の人々に支持され尊敬されているので。でも大学生のアンケートとかで、なりたい大人の男性のナンバーワンなどに選ばれてしまうと、拘束されることもあるみたいで、『ラスト、コーション』のトニー・レオンが演じた役は自分にはできないと言ったりしてますよね。イメージにこだわりすぎている感じがして」

 模範になり過ぎてるんですね。

 「ファンを失望させたくないとか…本来どんな役であれどんなシーンであれ、優れたものは共感を呼ぶと思うので、役柄やイメージにはこだわらなくてもいいと思うのですけれど。幅広い役にどんどん挑戦してほしいですね」

 アンディは実業家の顔も持っていますしね。

 「多くの社員を支えているので、その人たちのためにやらなければならないことも多いのだとは思いますが…。もう少し身軽になれば、本人のためにはいいのでしょうね」

 いつも忙しそうだし、体も心配ですよね。

 「でも、香港のアーティストはみな頑張り屋さんですよね。それに繊細で思いやりがあって、性格がいい。トニーもイーキン・チェンもそうですけど…まぁ、撮影の現場が職人気質の方が多いので、性格の悪い人は淘汰されてしまうのかもしれないですね」

 ここで、市川雷蔵、カトリーヌ・ドヌーブ、アンディ・ラウに続いて、橋本さんのハートをがっちりと捉えた男が登場。それは、嵐の大野智くん! 都市としての東京から出てきた大野くんは「努力のあとをけっして見せないけれど、歌も踊りもハンパなく上手い、相当練習しているはずだ」と橋本さんは大絶賛。ご自身も昔、クラシックバレエやモダンバレエをやっておられたそうで、踊りに関してはかなりうるさいのだとか。

 「踊りの上手い人に惹かれるんですよね(笑)。リバイバルで見た『ウエスト・サイド物語』のジョージ・チャキリスに惹かれて、キネ旬時代に取材したことあります(笑)。踊りはセンスとキレ。熊川(哲也)さんとか、マイケル・ジャクソンもそうなんですけど…大野くんはマイケル・ジャクソンの振り付け師(トラヴィス・ペイン)に褒められたくらいですから、世界レベルなんです(笑)。いずれにしろ、何世紀にも渡って語り継がれるような傑出したエンターテイナーというものを、私なりにライフワークにしたいなと思うんです」

●アジポップのこだわり

 アジポップへ話を戻します。編集部のA-Studioには何人いらっしゃるんですか?

 「4人です。それとサブで協力してくださる方が2人います」

 他の本も出しておられるんですか?

 「創刊直後にアンディのフォト・エッセイ集『Memories』を出しました。アンディが香港で出したエッセイ集を翻訳し、それにアジポップのオリジナル写真を付けたものですが、もう完売しています。それと、アンディのハードカバーの写真集『'90th』。5年ごとに開催されている雷蔵映画祭のパンフレットなども手がけています。その他、いくつかあります」

 アジポップはページ数が増えたような気がするのですが。

 「同じですよ(笑)。みなさんからよく言われるんですが、以前からずっと16ページ。一時期、紙が薄かったみたいなので、印刷屋さんには気をつけるようにと(笑)」

 充実した取材内容と美しいオールカラーは創刊当時から変わらず、むしろアジアのエンタメへの注目度があがるにつれて、内容が濃くなってきています。しかもこのデジタル時代、ポジフィルムにこだわりフィルム製版でやっているにもかかわらず、500円でおつりが来る価格を維持しているところもすごい。

 一番、表紙登場率が高いのは、やっぱりアンディですよね?

 「専属の犬養(あつ子)カメラマンが、アンディを撮りたいというので、たくさん撮っているんです(笑)。なので、オリジナルの表紙となるとアンディを使うことが多くなるんです。レスリーもいっばい撮っていますね」


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●back numbers

アジポップvo.1

記念すべき第1号の表紙は
アンディ


炎の大捜査線

炎の大捜査線
(09年版/ソニーピクチャーズ)

愛人/ラマン

愛人/ラマン・無修正版
(06年版/東北新社)


ラスト、コーション

ラスト、コーション
(08年版/ビクターエンタテインメント)

ウエスト・サイド物語

ウエスト・サイド物語
(08年版/20世紀フォックス)