胡同のひまわり(向日葵/Sunflower)
story
1976年−文化大革命の時代が終わりつつあり、四合院で母と暮らすシャンヤン(チャン・ファン)は9歳になった。ある日、近所の子どもたちと気ままに遊ぶ日々を送っていた彼に、大きな変化が訪れる。父ガンニャン(スン・ハイイン)が強制労働を終え、6年ぶりに戻ってきたのだ。
母シウチン(ジョアン・チェン)は喜ぶが、シャンヤンはおもしろくない。父は遊んでばかりの彼を叱り、絵の勉強をさせようとしたのだ。絵描きだった父は 強制労働で手をつぶし、絵筆を握ることができなくなっていた。自分の夢を託そうとする父に、幼いシャンヤンは自由な時間を奪われ、必死に抵抗する。そんな時、大地震が発生し…。
1987年−19歳のシャンヤン(ガオ・グー)は、大学で絵の才能を伸ばしつつあった。彼が熱心にスケッチをしていたのは、赤い帽子をかぶってスケートをする美しい女性ユー・ホン(チャン・ユエ)。やがてユー・ホンも彼に好意を抱く。そして二人でスケートをする内に、氷の池にすべり落ち、服を乾かすために入った部屋で結ばれる。
今でも抑圧的な態度を取り続ける父に、シャンヤンはいよいよ我慢ができなくなり、幼馴染(リー・ビン)と密かに広州に行くことを企てた。恋人のユー・ホンも一緒に。しかし、出発直前に計画がばれ、父に連れ戻されてしまう…。
1999年−北京の町は急速に近代化が進み、最後まで残っていた胡同(路地)や四合院の取り壊しが進んでいた。32才になったシャンヤン(ワン・ハイディ)は妻のハン・ジン(リャン・ジン)と改造した倉庫で暮らしている。画家としてのキャリアは順調で、大きな展覧会の準備に追われていた。両親はアパートに入るために偽装離婚し、母はアパート、父は四合院で生活していた。
シャンヤンと父との心の溝は今も深く、ハン・ジンの中絶でも衝突するが、今は子どもよりキャリアや二人での生活の方が大切と考えるシャンヤンたちは、父の説得に耳を貸さなかった。やがて、シャンヤンの展覧会が開かれる。シャンヤンの絵画に深く心を揺り動かされた父は、会場で彼と握手を交わし、ある決意をする…。
●宣伝担当者のおすすめポイント:
現在、世界で最も早い速度で進化し続ける街・北京。2008年開催のオリンピックに向け、近代化が進む中、失われゆく北京の胡同(フートン/北京の伝統的民家、四合院が立ち並ぶ路地)で営まれる、父と息子の30年に渡る愛と葛藤の日々を描いた感動作です。監督は、『こころの湯』など世界の映画祭で大絶賛されたチャン・ヤン。映画監督であった父と、その道をあえて継いだ彼の自伝的な要素も盛り込まれているのも見所の一つです。また、劇中、重要な役割を果たす中国現代アートの第一人者、チャン・シャオガンの肖像画も必見!
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