初恋の想い出(情人結/A Time To Love)
story
1970年代の中国。小学生のチー・ランとホウ・ジアは、同じ官舎で同じ時間を過ごしていた。チー・ランは評判の美少女。男の子はみな彼女を意識しており、ガキ大将だったホウ・ジアもそのひとりだった。
ふたりは成長し、大学受験を控えていた。チー・ラン(ヴィッキー・チャオ)を自転車のうしろに乗せて走るホウ・ジア(ルー・イー)。ふたりの間には、いつしか恋心が芽生え始めていた。ふたりは、地元の東林大を受験する約束を交わす。ホウ・ジアは優秀な成績で東林大に合格し、チー・ランは東林大の分校に決まった
合格発表の日、ホウ・ジアは母親(ソン・シャオイン)から「父さんはチー・ランの父親のせいで自殺した。誰と付き合おうと構わないが、チー・ランだけはダメだ」と叱責される。混乱したホウ・ジアは、彼を迎えにきたチー・ランに「もう訪ねてこないでくれ。理由は父親に聞けよ」と冷たく突き放してしまう。傷ついたチー・ランは、家族にホウ・ジアの父親の死について尋ねたが、誰も真相を答えてはくれなかった。
大学生活が始まり、シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』に深い感動を覚えたチー・ランは、ホウ・ジアに会い、想いの丈を込めてその本を手渡した。一途にお互いを慕い、想い合うふたりは、周囲の反対との板挟みの中で、ロミオとジュリエットに自分たちの境遇を重ね、親の目を逃れて、ふたりきりの時間を過ごす。そして、初めて結ばれた日、ふたりは命を断とうとするのだが…。
●アジコのおすすめポイント:
『山の郵便配達』のフォン・ジェンチイ監督が、新聞で目にした記事をもとに作り上げた一途なラブストーリーです。男まさりの活発な女性を演じることが多かったヴィッキー・チャオが、抑えた演技でしっとりとしたヒロインを好演。高校生から中年までを見事に演じ分けています。二人が自分たちと境遇を重ね合せるのは、懐かしいオリビア・ハッセー主演の映画『ロミオとジュリエット』。長い時を経て、二人の恋と運命はどのように変わっていくのか…じっくりと味わってください。
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