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悲夢

監督・脚本:キム・ギドク
撮影:キム・ギテ
美術:イ・ヒョンジュ
衣装:マ・ヨンヒ、タケダ トシオ
音楽:ジバク
出演:オダギリ ジョー、イ・ナヨン、パク・チア、キム・テヒョン、チャン・ミヒ

2008年/韓国
日本公開日/2009年2月7日
カラー/アメリカンヴィスタ/ドルビーSRD/93分/PG-12
配給:スタイルジャム
(c)2008 KIM KI DUK FILM
2008年 韓国映画評論家協会賞 監督賞(キム・ギドク)


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悲夢(悲夢)

story

 深夜、ジン(オダギリ ジョー)は別れた恋人(パク・チア)を追って、車を走らせていた。ところが、路地から別の車が急発進してきて、その車に追突してしまう。重傷を負った運転手を横目に、恋人を見失わないよう再び車を走らせるジン。しかし、今度は酒に酔った男が路上に飛び出してきて、ジンは慌ててハンドルを切る。そこで…彼はようやく夢から覚めるのだった。

 現実に戻っても、鮮明すぎる夢にどこか落ち着かないジン。サイレンの音を追って車を走らせた彼は、夢に見た通りの事故が実際に起きていたことをその眼で確認する。監視カメラの画像から警察に身柄を拘束されたのはラン(イ・ナヨン)だった。夢遊病の彼女は、ジンの夢に呼応するかのように、現実に行動を起していたのだ。ジンは警察に出向き、事故は自分の責任だと主張するが、警察は取り合わず、ランも彼の言うことが理解できない。

 再度、別れた恋人の夢を見たジンは、気になってランのもとへ向かう。彼女はやはり、夢の中のジンと同じように、何者かに顔を殴打されていた。彼女が夢遊病の中で会っていたのは、かつて彼女が捨てた男(キム・テヒョン)だった。ジンが未だに恋人を忘れられないのとは正反対に、ランはかつての恋人を心から嫌悪していた。

 ふたりは夢占い師(チャン・ミヒ)を訪れ、ふたりが愛しあえば夢は消え、夢遊病も治るだろうと告げられる。さもなくば、ふたりは不幸に見舞われるかもしれないとも。ふたりは、同時に眠らないよう、互いの家を行き来して交代で監視しあう。しかし、睡魔は彼らを執拗に襲い、夢は次第にエスカレートしていくのだった…。

●アジコのおすすめポイント:

共に夢日記を付けていたと言うオダギリ ジョーとキム・ギドク監督が、「夢」をテーマに究極の愛を描いた作品に挑戦。不思議な縁で出会ったふたりが互いのエゴをぶつけ合いながら、次第に相手を思いやるようになる様子が丹念に描かれます。ふたりが眠らないように努力する様は、ほんとうに苦しそうで痛々しいです。日本語とハングルが強引に混在していますが、違和感はまるでなく、むしろ日本人にはわかりやすいでしょう。幻想的なストーリーもさることながら、オダジョー演じる印鑑の彫刻師とその住まいには韓国の伝統美が、イ・ナヨンが演じる服飾デザイナーとそのアトリエには現代的な美がちりばめられ、映像的な魅力も十分味わえます。中盤に出て来る草原のシーンは重要なキーポイントと監督が語っていますので、気をつけてご覧ください。

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