冷たい雨に撃て、約束の銃弾を (復仇/Vengeance)
story
マカオの高級住宅地。料理をしながら夫と子供たちの帰りを待つフランス人女性アイリーン(シルヴィー・テステュー)。3人が帰宅した瞬間、玄関のドアベルはやがて銃声へと変わり、幸せな家庭は血の惨劇の場と化した…。
フランスから急遽マカオへやって来た初老の男・コステロ(ジョニー・アリディ)が病院を訪れる。フランスでレストランを経営する彼は、全身包帯を巻かれた愛娘アイリーンと病室で再会。気管切開で口がきけない彼女から、新聞記事を使って彼女が発したい言葉を見つけ出す。犯人は見知らぬ3人。1人は耳を銃で負傷。そして仇を討って欲しいと。
コステロは、現地警察のウォン刑事(マギー・シュウ)から見せられた現場写真を盗み出す。そして、マジックで「Vengeance(復讐)」と書いていくのだった。
その頃、グワイ(アンソニー・ウォン)、チュウ(ラム・カートン)、フェイロク(ラム・シュー)の3人は、組織のボスのファン(サイモン・ヤム)から殺しの依頼を受けていた。ホテルの一室でターゲットを仕留めた3人だったが、同じフロアに宿泊しているコステロと偶然廊下ですれ違い、フェイロクの銃を見られてしまう。一瞬の緊張の後、コステロは何も言わずに立ち去る。
やがて、ホテルの事件でウォン刑事から呼出されたコステロは、容疑者の面通しを依頼される。その中にはチュウの姿があったが、彼は「ここにはいない」と証言。その後、釈放されたチュウを尾行したコステロは、彼と合流したグワイらに「仕事を頼みたい」と告げるのだった…。
●アジコのおすすめポイント:
『ザ・ミッション/非情の掟』『エグザイル/絆』に続く殺し屋3部作の集大成とも呼べる作品が、なんとフランスからのオファーで実現。しかも主演はフランス音楽界のカリスマにして、俳優としても活躍しているジョニー・アリディ。当初はアラン・ドロンの起用を想定していたという監督ですが、いえいえ、渋いジョニー・アリディの方がこの作品にはマッチして正解でした。まるで言葉の通じない異国で戸惑う姿にはリアリティがあり、ラストには大きな見せ場も用意してあります。伏線もきいてます。お馴染みの殺し屋トリオはいつものように大暴れ。敵対する殺し屋たちの家庭事情とか、殺し屋同士の仁義みたいなのも描かれていて興味深い。監督はフランシス・ンやロイ・チョンにも声をかけていたということで、皆が揃っていたらどうなっていたことやら…?(それも観てみたい!)コステロとの会話部分は英語になっていますが、その流暢な英語はラム・シューがコンロイ・チャン、ラム・カートンはテレンス・インが吹き替えていますので、その辺もお楽しみください。
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