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スプリング・フィーバー

監督:ロウ・イエ
脚本:メイ・フォン
撮影:ツアン・チアン
編集:ロビン・ウェン、ツアン・チアン、フローレンス・ブレッソン
美術:ポン・シャオイン
音楽:ペイマン・ヤズダニアン
出演:チン・ハオ、チェン・スーチョン、タン・ジュオ、ウー・ウェイ、ジャン・ジャーチー、チャン・ソンウェン

2009年/中国・フランス
日本公開日/2010年11月6日
カラー/HD/1:1.85/ドルビーSRD/115分
配給:アップリンク
2009年 カンヌ国際映画祭 脚本賞(メイ・フォン)
2010年 台湾金馬奨
 編集賞:フローレンス・プレッソン、ロビン・ウェン 、ツアン・チアン
 映画音楽賞:ペイマン・ヤズダニアン

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スプリング・フィーバー
(春風沈酔的晩上/Spring Fever)

story

 南京の郊外で戯れる二人の男。空き家の一室で激しく愛を交わす彼らの様子を、密かに伺っている男がいた。探偵のルオ・ハイタオ(チェン・スーチョン)だ。彼は夫ワン・ピン(ウー・ウェイ)が浮気をしているのではないかと疑う女教師リン・シュエ(ジャン・ジャーチー)から調査を依頼されたのだった。そして判明した夫の浮気相手は、ジャン・チョン(チン・ハオ)という青年だった。

 尾行されていることに気づいていないワンは、妻にジャンを同級生だと紹介する。どちらの関係も壊したくない彼は、妻がジャンを家族のように思ってくれれば便利だと考えたのだ。しかし、真相を知った妻はジャンの職場に押しかけ、夫婦関係も破綻してしまう。また、いざこざに疲れたジャンの心は、ワンから離れていった。

 一方、尾行するうちにジャンのことが気になり始めた探偵のルオは、尾行していたゲイバーでのトラブルをきっかけにジャンと知り合い、次第に惹かれ合っていく。ルオには街で知り合った恋人リー・ジン(タン・ジュオ)がいたが、工場で働く彼女は工場長(チャン・ソンウェン)の愛人でもあった。リー・ジンはジャンとも親しくなるが、やがてジャンとルオとの関係に気づいてしまう。

 工場の閉鎖、思いがけないワンの死…様々な想いを胸に、ジャン、ルオ、リー・ジンの奇妙な旅が始まる…。

●アジコのおすすめポイント:

昨年の東京フィルメックスでの上映でも話題になった本作。社会的な背景を踏まえつつも、そこに漂う人間たちを描き続けているロウ・イエ監督が、5年間の映画製作&上映禁止命令にもめげず、以前から試してみたかった家庭用デジタルビデオカメラを駆使し、ゲリラ的手法で撮りあげました。ロウ・イエ監督といえば、以前からウォン・カーウァイ風の映像が指摘されていますが、本作はゲイを描いた作品ということもあり、随所に亡き名優レスリー・チョンへのオマージュが捧げられています。かつてリウ・イエと フー・ジュンが主演した『藍宇/情熱の嵐』も衝撃的でしたが、本作の男と男と女たちはどのような印象を残すでしょうか。ハオ・レイ似の新人女優タン・ジュオは堀北真希にも似ており、日本人には馴染みやすいかも。男二人の狭間で、可憐な彼女の存在感も光っております。

今年の東京レズビアン&ゲイ国際映画祭で主演俳優二人が来日した時のインタビューもぜひどうぞ。

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