モンガに散る([舟孟舟甲]/MONGA)
story
1966年、台北の中心街・モンガは商業で繁栄し、その裏で多くの極道組織が縄張り争いを繰り広げていた。この街に、高校2年生のモスキート(マーク・チャオ)が母親と共に越して来る。父親がおらず、幼い頃からいじめられっ子だったモスキートは、転校初日から不良のドッグ(チェン・ハンティエン)たちに絡まれる。その様子をドラゴン(リディアン・ヴォーン)と3人の仲間たちが見ていた。
大勢の敵を相手にたった一人で立ち向かうモスキート。ドラゴンたちは彼に興味を持ち、自分たちの仲間に迎え入れる。「こいつの敵は俺の敵」。ドッグにそう言い放ったドラゴンは、モスキートに絡んだ連中を屋上に並ばせ、彼に殴らせる。初めて人を殴ったモスキートは、こうして極道の世界に足を踏み入れることになる。
ドラゴンはモンガで一番の権力を握る廟口組のボス、ゲタ親分(マー・ルーロン)の一人息子で、幼い頃から注目されていた。そんな彼を見守っているのが、一番頭が切れ、誰からも一目置かれているモンク(イーサン・ルアン)。彼は常にドラゴンを守り、影のリーダーとしてグループを率いている。そして、肉屋の息子でお調子者のアベイ(ホァン・トンユー)、祖父に育てられた腕っぷしの強い白ザル(ツァイ・チェンシェン)の4人にモスキートが加わり、グループは5人となった。「指は5本揃って拳になる」
次第に絆を深めていった5人は、ある夜、血の契りを結び、「同じ日に死ぬことを願い、裏切りがあれば神の天罰が下る」という義兄弟の誓いを立てる。仲間たちに誕生日を手荒く祝ってもらったモスキートは、初めてゲタ親分に会い、その暖かさと冷酷さを知る。また、初めて連れて行かれた娼館では、シャオニン(クー・ジャーヤン)と出会い、一晩中音楽を聴いて過ごした。そんなある日、事件が起こる…。
●アジコのおすすめポイント:
青春映画に秀作の多い台湾から、また1つ名作が誕生。かつて台湾の港町として栄えたモンガを舞台に、極道の世界へ足を踏み入れた少年たちの友情と慟哭を丁寧に描いた本作は、台湾で今年最大のヒット作となりました。監督は数々の華流ドラマを手がけ、『ビバ!監督人生』で映画監督となったニウ・チェンザー。俳優としてのキャリアも長く、本作でも重要な役柄で出演も。スタイリッシュな映像は、第2のクリストファー・ドイルとも呼ばれているジェイク・ポロック。ゲタ親分を演じるのは『海角七号/君想う、国境の南』の議長さんで注目されたマー・ルーロンです。ドラマ「ブラック&ホワイト」でブレイクしたマーク・チャオ、本作で主演男優賞を獲得し次回作『セデック・パレ』も期待されるイーサン・ルアン、そして『九月に降る風』のリディアン・ヴォーンと、魅力的なキャストにも注目。台湾の熱い息吹を歴史と共に感じ取ってください。
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