飛べ、ペンギン(Fly Penguin)
story
9歳のスンユン(アン・ドギュ)は放課後も習い事に追われ忙しい毎日。しかし、教育ママのヒジョン(ムン・ソリ)は彼の英語の実力が心配で「週末は家族全員で英語を話そう!」と言い出す始末。日頃から妻の行き過ぎた教育熱に疑問を持っていた夫(パク・ウォンサン)はなんとかスンユンに息抜きをさせたいと考える。
ヒジョンの勤める市役所の福祉課にジュフン(チェ・ギュファン)とミソン(チェ・ヒジン)という新しい職員が入ってくる。歓迎会の席でジュフンは自分がベジタリアンで酒もまったく飲めないと告白。そんな彼に無神経な態度をとる先輩たちに疑問を持っていたミソンも、自分が喫煙者であることを周囲に隠していた。
福祉課のクォン課長(ソン・ビョンホ)は英語教育のため妻子を海外に送りだしてから1人暮しを続けていた。仕事帰りに付き合ってくれる相手も少なくなった頃、家族たちの一時帰国の日がやってくる。しかし、外国生活に慣れた彼らは、冷たい態度をとって課長を悲しませる。
クォン課長の実家では活動的な母(チョン・ヘソン)と、退職後は家にこもりきりの父(パク・イヌァン)がいつものように言い争いをしている。横暴な父を見返そうと運転免許をとることに挑戦し、見事、合格した母。しかし、数日後、父が車を売ってしまったことが判明し、起こった彼女は離婚を宣言する。
●アジコのおすすめポイント:
『もし、あなたなら〜6つの視線』など一連の作品を手がけている韓国人権委員会の初長編映画。監督は前作『私たちの生涯最高の瞬間』が大ヒットを記録したイム・スルレ。今回はムン・ソリが教育ママゴンになって登場します。パク・ウォンサンと再び夫婦役で登場するのもミソ。韓国の学歴社会や英語熱の話は聞いていたけれど、ここまでくると子どもたちがほんとうにかわいそう。やさしいパパがいてくれてよかった…と思っていたら、今度はママの勤める会社でのエピソード。という具合に、少年、青年、中年、熟年世代の韓国社会の縮図を見るように物語は進んでいきます。日本と違う部分もあれば、似ている部分もあり。そこに描かれているのは抑圧されている人々の姿。もし、あなたならどうする?
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