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再生の朝に/ある裁判官の選択

監督:リウ・ジエ
脚本:リウ・ジエ、カオ・シャン
撮影:大塚竜治
編集:マリー・ステファン
音楽:リン・チャン
出演:ニー・ダーホン、メイ・ティン、チー・ダオ、ジェン・ジェン、ソン・エイシェン、カオ・チュンシュエ

2010年/中国
日本公開日/2011年3月5日
カラー/98分
配給:アルシネテラン
(c)2009 3C Films Co., Ltd.
2010年 マイアミ国際映画祭 国際批評家連名賞
2010年 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭
 監督賞(リウ・ジエ)/観客賞
2010年 台湾金馬奨
 最優秀脚本賞(リウ・ジエ、カオ・シャン)


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再生の朝に/ある裁判官の選択(透析/Judge)

story

 1997年、河北省[シ豕]州市。法に忠実に仕事をこなしてきたベテラン裁判官ティエン(ニー・ダーホン)は、娘を盗難車によるひき逃げで亡くして以来、無気力に暮らしていた。犯人は見つからず、ティエンの判決に恨みを持った者の仕業ではないかと噂される中、彼は周囲の人間との関わりをもたぬようこれまで以上に淡々と日々の仕事に没頭していた。

 妻(ジェン・ジェン)も娘の死から立ち直れず、悲しみを紛らわそうと飼いだした犬を心の拠りどころにふさぎこむ毎日。2人が唯一顔を合わせるのは食事の時だけだが、会話はほとんどない。

 ある日、ティエンは車2台の窃盗の容疑で搬送されてきた青年チウ・ウー(チー・ダオ)を担当することになった。時は刑法改正の直前、現行の法では車2台の窃盗は死刑に値するが、新法では死刑ではなくなる。ティエンを含む裁判委員会は議論を重ねた結果、チウ・ウーに死刑判決を言い渡す。

 そんな中、腎臓病を患う地元の有力者リー社長(ソン・エイシェン)は、チウ・ウーが自分の腎臓と適合することが判明すると、金の力で家族から合意書にサインを得ようとしたり、裁判所へ死刑執行日を早めるよう圧力をかけたりと、腎臓移植が一日でも早くできるよう根回しを始める。

 手段を選ばずどんなことでもしようとする社長の姿に、彼を愛し、どうしても命を救いたいと願っていた彼のフィアンセ(メイ・ティン)は、次第に「本当にこれでいいのか」と疑問を感じるようになる。 一方、チウ・ウーは刑務所内で、食事も睡眠も取らず抵抗を続けるが、腎臓を渡せば家族にお金が入ることを知り、静かに運命を受け入れようとするのだった…。

●アジコのおすすめポイント:

中国の刑法が改定された1997年のお話。新しい法律では死刑にならないけれど、旧法で裁いたゆえに死刑を宣告しなければならない裁判官、宣告された自動車泥棒の青年、そしてその青年の腎臓が欲しい病気の社長と、3者3様の苦悩が静謐なタッチで描かれていきます。音楽を担当したリン・チャンはなんと、用意した8曲を自らカットしたのだとか。(エンディング・ロールでやっと彼の音楽が聴けます!)音楽が一切流れないので、それぞれの家族が抱える苦悩も緊張感を持って伝わってきます。果たして青年はどうなるのか? 裁判官夫婦の食事や食卓の移り変わりにもご注目を。

3組の家庭で実際に起こった事件をまとめて1つにしたというリウ・ジエ監督。敏感な題材なので、撮影させてくれる場所で撮ったそうで、主な俳優6人以外はすべて現地の人々。本物の刑務所で本物の囚人たちが出演しています。死刑囚を演じるのは『ココシリ』のチー・ダオ。懐かしいところでは『追憶の上海』(98)でレスリー・チャンと共演したメイ・ティエンが出演しています。

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