孫文の義士団
(十月圍城/Bodyguards And Asassins)
story
1906年10月1日。清朝打倒を掲げる革命家・孫文が香港を目指し、船で日本を発った。目的は、同盟会代表13人との今後の蜂起計画の会合。一方、紫禁城では西太后がシャオグオ(フー・ジュン)らを招集し、総勢500人の暗殺団による国賊・孫文の暗殺計画が進められる。
イギリス領、香港。新聞社社長で、中国同盟会の香港支部長シャオバイ(レオン・カーフェイ)は、大物実業家ユータン(ワン・シュエチー)に資金援助を要請。同時に、京劇団の団長として身を隠している元将軍ファン(サイモン・ヤム)にも協力を要請する。
そんなシャオバイの足取りを、香港警察の警官チョンヤン(ドニー・イェン)が追っていた。元妻のユエル(ファン・ビンビン)がユータンの妻となっている今、彼はギャンブルの資金欲しさに、シャオグオと部下チェンシャン(カン・リー)にスパイとして雇われていたのだ。
車夫アスー(ニコラス・ツェー)の人力車に乗るユータンは、街中で革命の支援活動をする息子チョングアン(ワン・ボーチエ)の姿を見て、大きなショックを受ける。跡を継ぐと信じていた一人息子が、事件に巻き込まれることを恐れたのだ。そんな中、ファンと仲間たちが奇襲を受け、シャオバイも捕えられてしまう。生き残ったのは、ファンの一人娘ホン(クリス・リー)だけだった。
香港警察のシー警部(エリック・ツァン)は、新聞社に閉鎖命令を下す。また、朝廷に対し、英国政府は一切干渉しないと表明する。怒ったユータンは行方不明のシャオバイに代わって、孫文を守り抜くことを決意。義士団を結成するため、路上生活者のリウ(レオン・ライ)、大男ワン(メンケ・バータル)らに声をかけていく。
こうして、名もなき者たちで結成された義士団に、アスーやホン、そしてチョングアンも密かに参加する。一方、ユエルは、娘の未来のためにユータンを守ってほしいとチョンヤンに頼むのだった。そんな中、命懸けで脱走に成功したシャオバイは、孫文の影武者を使うことを提案する…。
●アジコのおすすめポイント:
と、この前半のあらすじだけでも相当はしょっておりますが、かなりのドラマが盛り込まれております。そんなそれぞれの思いが、この後に展開する怒濤の1時間、孫文が上陸して影武者と入れ替わり、会議を終えて香港を去るまでの間に結集することになるのです。まさに、息もつかせぬクライマックスの連続。その一部始終を、ずっと目撃することになるワン・シュエチーの目、表情が実に素晴らしく、数々の主演男優賞を獲得しているのも納得です。台湾から参加した 『九月に降る風』のワン・ポーチエも清々しく、ニコラスとの友情も沁みます。そして、眉のないフー・ジュンはこわい!こんなレオン・ライ(↑メイン写真参照)は見たことない!すべてのキャラクターが見事に描かれている観応えたっぷりの本作をぜひ、お見逃しなく。
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