密告・者(綫人/The Stool Pigeon)
story
香港警察気鋭の捜査官ドン(ニック・チョン)は、マルコ(ヴィンセント・ワン)が仕切る犯罪組織に密告者のジャバー(リウ・カイチー)を送り込んで内偵させていたが、取引現場での逮捕寸前で彼の正体がばれ、ジャバーは瀕死の重傷と再起不能のトラウマを負う。
それから1年、ドンは昇進したものの深い罪の意識を背負っていた。後輩の刑事たちに、密告者を使った捜査のコツは「友達のように接すること」と教育しながらも、精神を病みながらホームレスとなって身を隠すジャバーの面倒をみていた。
そんな中、台湾から帰ってきた凶悪犯バーバイ(ルー・イー)の動向を探るため、新たな密告者として出所間近の青年サイグァイ(ニコラス・ツェー)に白羽の矢を立てる。サイグァイは、妹(シャーマン・チェン)が親の遺した借金のカタに、ヤクザのもとで娼婦として働かされていることを知り、妹を救い出す金を作るためドンの密告者となる。
バーバイと関わりを持つタイピン(パトリック・キョン)に接触したサイグァイは、運転手として雇われる。そして、ついに現れたバーバイは恋人のディー(グイ・ルンメイ)を伴っていた。タイピンとバーバイが強盗を計画していることを知ったサイグァイはドンに情報を伝え、ドンは組織の連絡網を知るため、ディーの携帯データを盗むよう命令する。
●アジコのおすすめポイント:
前作『証人』でニック・チョンに金像奨主演男優賞をもたらしたダンテ・ラム監督のシリーズ2作目。今回はニック・チョンが刑事を演じ、自分が仕事を課した密告者たちのと関係とジレンマ、さらには記憶喪失の元妻(演じているのはミャオ・プー)との関係を盛り込んで、濃厚な人間ドラマを描きます。一方、『孫文の義士団』のためスキンヘッドになっていたニコラス・ツェーは密告者をやらざるを得なくなる男を好演。本作で見事、今年の金像奨主演男優賞を受賞しました。グイ・ルンメイとのほのかなロマンスもせつなく、後半を盛り上げます。そのグイ・ルンメイちゃんはなんとヤクザの若き姐ご役。爽やかな青春ドラマのイメージが強かった彼女、今回はハードなアクションにも挑戦し、血まみれになって闘います。迫力あります。
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