マジック&ロス(Magic & Loss)
story
香港のリゾート地、ムイウォ。一人旅で日本からやって来たキキ(杉野希妃)と韓国からやって来たコッピ(キム・コッピ)は、同じホテルを訪れる。ホテルにいるのはベルボーイ(ヤン・イクチュン)のみ。満室の貼り紙はあるが、他に客は見当たらないようだ。キキとコッピは言葉は通じないが、行動を共にし、次第に打ち解けていく。
ある日、2人はムイウォの東に位置する深い森へと入り込む。その先には、岩肌を流れる白糸が神秘的な美しさをたたえる滝があった。妖しくむせ返るような樹々と滝音に導かれるまま、2人は滝へと向かう。その滝は、多くの人が身を投げる自殺の名所とも言われていた。
滝から戻ったキキとコッピに変化が訪れる。2人は徐々に時間の感覚をなくし、現実と幻想が入り混じる。そして、共鳴と反発を繰り返しながら互いを求め合うようになる。もはや、どちらがキキでどちらがコッピなのかも曖昧になり、2人を飲みに誘うベルボーイを混乱させるのだった。
はたして、誰が実在するのか、何が現実で何が幻影なのか…謎は深まっていく。
●アジコのおすすめポイント:
女優でプロデューサーでもある杉野希妃が、マレーシアの新鋭リム・カーワイを監督にたて、香港を舞台に多国籍資本で作りあげた作品です。出演するのは杉野希妃と、『まぶしい1日』で共演したヤン・イクチュン、その彼の監督デビュー作『息もできない』で鮮烈な印象を残したキム・コッピの3人だけ。『息もできない』コンビが出演というだけでもわくわくしますが、その2人が本作では香港の不思議なリゾート地を舞台に、まったく違うキャラクターを演じています。妖しい関係に陥っていく杉野希妃とキム・コッピの行動や表情の変化には、特にご注目を。脚本がなく言葉も通じず戸惑いながら演じたというヤン・イクチュンは、軟派なベルボーイをほぼ素の明るさで演じています。
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