孔子の教え(孔子/Confucius)
story
紀元前501年。中都宰に任命され、わずか1年でその才を発揮した孔子(チョウ・ユンファ)は、魯の君主・定公(ヤオ・ルー)より大司寇の位を授けられる。大国が隣接する小国の魯では、三桓と呼ばれる3つの勢力が政治の実権を握り、国政はたびたび混乱していた。この状況を打開し、安定した国を築こうとした定公は、孔子に大きな期待を寄せていたのだ。
その頃、三桓で最も権力を持つ季孫斯(チェン・ジエンビン)は、父の殉葬を行っていた。古い慣習に従い、奴隷たちが次々と殺される中、一人の子供が逃げ出し、孔子の弟子・子路(リー・ウェンポー)に助けられる。孔子はこの子供・漆思弓(ガオ・ティエン)を弟子として迎えるため、彼を要職の会合に引き連れ、今こそ新時代にならった礼節を築くべきと説いて殉葬を撤廃。漆思弓の保護承認を勝ち取った。
大司寇となった孔子はめきめきと頭角をあらわし、魯も強国となっていった。それを恐れた隣国の斉は、友好条約を結ぶという名目で、定公を捕え孔子の暗殺を企てる。しかし、ここでも孔子の機転が功を奏し、交渉が決裂した後も一切の血を流さずに、30年前に奪われた[シ文]上三城を取り返すのだった。孔子の非凡な才覚と知恵は各国に伝わり、他国の為政者の関心を引くようになる。
紀元前498年、国相代理に任命された孔子は、三桓の影響力を弱めるために、それぞれが統治する三都の城壁を破壊することに着手する。三桓の中には賛同するもの、反旗を翻すものもいたが、反乱分子を摘み取り、孔子が目指す魯の勢力分散が徐々に完成しようとしていた。しかし、後一歩というところで、三桓が定公を抱き込み、孔子は魯を追放されることになる…。
●アジコのおすすめポイント:
孔子というと仙人のようなイメージしかなかったのですが、意外に大柄で文武両道に秀で、戦術を考えたり、琴をひいたりもする多才多芸な人だったというのがわかります。妻子もあり、大勢の弟子たちに慕われる、人望厚く魅力的な人物だったようです。そんな人間・孔子の実像に迫るのが本作。映画では最も出世して活躍した時期から、国を追われ苦難の中で遊説の旅を続け、許されて帰国するまでが描かれます。繊細で美しい映像美と共に、まさに孔子そのもののチョウ・ユンファ、妖しい魅力を振りまく南子役のジョウ・シュン、そして愛弟子・顔回を演じるレン・チュアンにもご注目ください。
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