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プンサンケ

製作総指揮:キム・ギドク、豊山犬スタッフ
監督:チョン・ジェホン
脚本:キム・ギドク
撮影:イ・ジョンイン
編集:シン・チョル
音楽:パク・イニョン
出演:ユン・ゲサン、キム・ギュリ、キム・ジョンス、ハン・ギジュン、チェ・ムソン、ユ・ハボク、ペ・ヨングン

2011年/韓国
日本公開日/2012年8月18日
カラー/ビスタ/ドルビー/HD/121分
配給:太秦
(c)2011 KIM Ki-duk Film.
2011年 韓国映画評論家協会賞
 国際批評家連盟韓国本部賞(チョン・ジェホン)

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プンサンケ(豊山犬/Poongsan)

story

 38度線を飛び越えてソウルとピョンヤンを行き来し、3時間以内に何でも配達する男(ユン・ゲサン)がいた。運ぶのは、離散家族の最後の手紙やビデオメッセージ。時には幼い子供を運ぶこともある。北朝鮮製の煙草、豊山犬(プンサンケ)を吸うその男は、いつしか「プンサンケ」と呼ばれるようになっていた。

 プンサンケとの連絡方法は「帰らざる橋」にメッセージを残すことだけ。たまたま、密輸品を運んだことから韓国情報員(ハン・ギジュン)に目をつけられたプンサンケは、ある仕事を依頼される。それは、韓国に亡命した北朝鮮の元高官(キム・ジョンス)の恋人イノク(キム・ギュリ)をソウルに連れて来ることだった。

 いつものように北朝鮮に潜入したプンサンケは、無言のままイノクを連れ出し38度線へ。凍てつく寒さに耐えながら、2人は裸で川を渡り体に泥を塗って身を隠す。そして、何度も危険にさらされるうち、2人は互いに言い知れぬ感情を抱くようになっていった。

 イノクを引き渡したプンサンケは、裏切りにあって拘束されるが、隙をみて逃出し、イノクと元高官を拉致する。しかし、元高官の手で再び情報部に拘束され「おまえは北と南、どっちの犬だ?」と拷問を受けるのだった。決して口を割らないプンサンケに、情報部は北朝鮮に捕らえられた情報員を救い出せば、イノクと国外へ脱出させると提案する。

 プンサンケは任務を遂行するが、またしても裏切りにあい、救い出した情報員(ペ・ヨングン)の機転で脱出する。遠くからイノクの様子を伺うプンサンケの前に、今度は北朝鮮の工作員(ユ・ハボク)たちが介入してくる…。

●アジコのおすすめポイント:

胸の奥底に何かを固く秘めながら、北と南を自在に行き来する謎の男プンサンケ。おそらく、自分が果たせなかったことを、同じような境遇の人々のために黙々と遂行している…とアジコは想像したのですが、それは映画を観て感じてください。驚くのは、川を渡って最後の難関、そびえ立つ鉄条網を越える方法。え〜、そんなことできるの?!と疑いたくなりますが、これも一種のメタファーでしょう。そこには『うつせみ』『悲夢』のように、ややファンタジーな要素も感じられます。映画だからこそ表現できる思いの結晶、それがプンサンケという男に託されているのです。監督はキム・ギドク作品で腕を磨いた新鋭チョン・ジェホン。スタッフも出演者も脚本に心打たれ、ノーギャラで参加しています。オダギリジョーもカメオ出演をしているので、お見逃しなく。


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