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ボス、その男シヴァージ

監督:シャンカール
脚本:シャンカール、スワナンド・キルキレー、スジャータ
撮影:K.V. アナンド
編集:アンソニー
美術:ソータ・サラニ
音楽:A.R.ラフマーン
出演:ラジニカーント、シュリヤー・サラン、スマン、ヴィベク

2007年/インド
日本公開日/2012年12月1日
カラー/16:9 ワイドスクリーン/ドルビーデジタル/185分
配給:アンプラグド
(c)2011 Cinergy House and Daisy Entertainment
2008年 インド フィルムフェア・アワード・サウス
 美術賞(ソータ・サラニ)/撮影賞(K.V. アナンド)/
 コメディアン賞(ヴィベク)/音楽賞(A.R.ラフマーン)/
 悪役賞(スマン)
2008年 インド ナショナル・フィルム・アワード
 シルバーロータス賞 特殊効果
 (スリニバス・モハン/Indian Artists Computer Graphics)


p2

p3

p4

ボス、その男シヴァージ(Sivaji The Boss)

story

 アメリカで大成功を収めた実業家シヴァージ(ラジニカーント)がインドに帰ってきた。彼は豊富な資金を元に、仲のよい親戚の「おじさん」(ヴィヴェク)と共に、南インドの故郷チェンナイで貧しい人々のために、無料の病院や学校を建設しようと計画する。

 しかし、地元の悪徳企業家アーディセーシャン(スマン)が長年病院ビジネスを独占。市民から法外な診療費を徴収していた。彼は賄賂を使って政治家や地主を味方につけ、富も独占していた。シヴァージが邪魔になった彼は、裏工作を用いて病院建設の邪魔をし、中止に追い込んでしまう。

 インド国内に裏金がはびこっている状況を嘆きつつも、綺麗ごとでは戦えないと感じたシヴァージは、やむなく裏取引をして病院建設に邁進する。また、花嫁探しも開始。タミル地方の魂を持った古風な女性を探しに寺院を回る内、タミルセルヴィー(シュリヤー・サラン)という美しい女性に一目惚れ。家族ぐるみで猛烈アタックを開始する。

 タミルも彼女の家族も、最初は強引なシヴァージ一家に閉口するが、どんな困難にもめげず、インドを救いたいというシヴァージの情熱と理想を本物だと感じ、家族を大切にする生き方や人柄にも惹かれていったタミルは、ついに結婚を決意する。

 私財をすべて投入し、賄賂も使ってやっと建設許可を得たのに、今度はアーディセーシャンが裏から手を回して新しい州知事を当選させ、シヴァージの病院建設は白紙になってしまう。さらに、賄賂を使っていたことが税務署にバレ、一瞬にして全財産をなくしてしまう。

 手元にはアーディセーシャンがめぐんだ1ルピーのみ。だが、この1ルピーを元手に奇策を思いついたシヴァージは、手段を選ばずのし上がることを決意。「おじさん」と共に、アーディセーシャンの悪事を暴き、賄賂を奪おうと計画する…。

●アジコのおすすめポイント:

『ロボット』が日本でも旋風を巻き起こし、ラジニブーム再来!というわけで、同じシャンカール監督による『ロボット』の前作で、こちらも大ヒットを記録した『ボス、その男シヴァージ』の登場です。今回はノーカットによる完全版上映。インド映画ファンにはたまらないドメスティックな歌や踊りがてんこ盛り。さらに『ロボット』へとつながるVFXも全開しています。しかし、なんといっても魅力的なのは、この濃いおっさんの清々しく潔く、さらに大胆な生き方。政界に深くはびこる悪を利用して、それを浄化し大きな善に変えるという発想も面白く、こんな人に政治家になってもらいたいよと、つい拍手を送ってしまいます。政治が混迷する今の日本に必要なスピリットが詰まっているかも?! 悪役のスマンがかなり手強く最後の死闘まで粘りますが、その分ラストはすかっとします。

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