恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム
(Om Shanti Om)
story
1977年、ボンベイ。エキストラ俳優の両親を持つ青年オーム(シャー・ルク・カーン)は、親友のパップー(シュレーヤス・タラプデー)と共にスターを夢見る脇役俳優。新人女優のシャンティ(ディーピカー・パードゥコーン)に淡い恋心を抱いているが、もちろん彼女は高嶺の花。ビルに飾ってある大型広告の彼女に語りかけるのが、日々の楽しみだった。
ある時、撮影現場の事故で炎に包まれたシャンティをオームが救出したことから、2人は友だちになる。親しくなるにつれ、オームは急速にシャンティに夢中になっていくが、実は彼女は売れっ子プロデューサーのムケーシュ(アルジュン・ラームパール)と密かに結婚し、妊娠までしていた。偶然そのことを知ったオームは落胆の日々を送る。
ところが、女たらしのムケーシュは妊娠を喜ぶどころか、スポンサーの娘にも色目を使っていたため、彼女を疎ましく思っていた。ある晩、ムケーシュから撮影中の映画『オーム・シャンティ・オーム』のセットに呼出されたシャンティは、部屋に閉じ込められ火を放たれてしまう。
心配したオームが駆けつけるが、セットが爆発。吹き飛ばされたオームは車に跳ねられてしまう。車に乗っていたのは映画スターのカプール夫妻だった。夫妻はオームを病院へ運び込むが助からず、オームが息を引取るのと同時に、臨月だったカプール(ジャーヴェード・シェイク)の妻(アサワリー・ジョシー)が男児を出産する。
30年後、オームと名づけられた男児は人気スター俳優となっていた。新しい映画の撮影で、昔火事になったセットを訪れたオーム(シャー・ルク・カーン)は、不思議な映像が脳裏に浮かび混乱する。そして、ある映画賞の授賞式で、30年ぶりにハリウッドから帰国したムケーシュと出会った途端、別人の記憶が甦ってくるのだった…。
●アジコのおすすめポイント:
2007年の公開と同時に爆発的人気で支持され、今やインドで伝説となった作品。監督は斬新なダンス・コレオグラファーとして世界に名を轟かせるファラー・カーン。親友のシャー・ルク・カーンを主演にした2作目で、当時、モデルとしても活躍していた新人女優のディーピカー・パードゥコーンがヒロインを演じます。彼女の輝くばかりの美しさも眼福ですが、撮影中に身体を絞り、見事6パックに割れた腹筋を惜し気もなく披露する、中盤のシャー・ルクのダンスシーン(Dard E Disco)も見逃せません。また、悪役で注目されたイケメン、アルジュン・ラームパールも見どころです。さらに、キラ星のような有名スターたちが大勢カメオ出演。裏方のスタッフたちも総出演とサービス精神もたっぷり。往年の名作へのオマージュもあり、映画を愛する映画人たちの映画への愛情がたっぷり詰まっています。展開は韓国ドラマのような壮絶さですが、究極のラブストーリーにサスペンス、ホラー、コメディと、様々な要素がてんこ盛りのハッピーな作品です。たっぷりお楽しみください。
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