スタンリーのお弁当箱(Stanley Ka Dabba)
story
明るい性格で「お話」が得意なスタンリー少年(パルソー)は、4-Fクラスの人気者。カトリック系のホーリー・ファミリー校に通いながら、いつも楽しい物語を創作してはクラスメートを笑わせている。
ある朝、スタンリーは頬にあざを作って学校に来た。気になった英語担当のロージー先生(ディヴィヤ・ダッタ)は理由を尋ねるが、彼は街を歩いている時に喧嘩に巻き込まれてしまい、取っ組み合いの大喧嘩になったのだと、得意の物語にしてクラス中を楽しませる。
国語を教えるヴァルマー(アモール・グプテ)は、食い意地の張った中年教師。授業中に早弁をしている生徒を見つけて叱りつけるが、自分もお腹がすいてしまい、授業中にもかかわらず教室を抜け出して、他の先生のお弁当をつまみ食いする。
昼食の時間。クラスメートは持参してきたお弁当を食べている。一方、スタンリーは家庭の事情でお弁当を持って来られないため、教室をそっと抜け出し、水道水を飲んで我慢している。クラスメートのアビシェーク(アビシェーク)は、自分たちのお弁当を少しずつわけてあげようと提案。ためらいながらも、スタンリーはみんなの好意を受け入れる。
そんな友情を傷つける事件が起こった。ヴァルマーが昼食の時間にやってきて、生徒たちの弁当を横取りしたのだ。自分勝手なヴァルマーは、スタンリーを目の敵にして「ネズミめ、弁当を持って来られない生徒は学校に来る資格がない!」とスタンリーを追い出し、その日からスタンリーは学校を休んでしまう。
●アジコのおすすめポイント:
インドの小学校が舞台の映画というのも珍しいのですが、これがなんと、ワークショップでの子どもたちの演技を1年半の期間をかけて撮り溜め、1本の作品に編集してできた作品というから驚きです。登場する子どもたちは皆、いきいきとしており、子どもらしい自然なリアクションが映し出されています。主人公のスタンリーを演じるのは、監督の実の息子パルソーくん。撮影期間中に歯が抜けたシーンも、しっかり映画に収められました。そのパルソーくんが「何かの記録を撮っているのだろう」と思っていた本作は、なんと一眼レフとキャノン7D(デジカメ一眼レフ)だけで撮影! 編集は美しい奥様(お母さん)が担当されています。スタンリーの事情は最後の方で明かされるのですが、自分で自分の道を切り開く姿勢には心打たれます。周囲の人々の温かさも。ぜひ、ご家族でご覧ください。
*パルソーくんとアモール・グプテ監督の来日インタビューはこちら!
|