あの頃、君を追いかけた
(那些年、我們一起追的女孩/
You Are the Apple of My Eye)
story
2005年。コー・チントン(クー・チェンドン)は、思い出の品々を見つめながら身支度をしていた。ほどなく、高校時代の親友たちが彼を迎えにやって来る。今日は大切な1日。「人生に無意味な出来事など何もない」
1994年。台湾中西部の町、彰化。中高一貫校に通うコー・チントンはどこにでもいる高校生だ。あだ名はコートン。将来のことなど何も考えず、同級生の仲間たちとつるみ、バカなことばかりして、お気楽でのん気な学生生活を過ごしていた。
中学からの親友たちは皆、個性豊かだ。シュー・ボーチュン(イエン・ションユー)は、常に下半身が元気なムッツリスケベ。あだ名はボーチ(勃起)。デブキャラのシエ・ミンハ(スティーブン・ハオ)のあだ名はアハ。成績は一番優秀だ。ツァオ・グオション(チュアン・ハオチュエン)は、NBA選手のトレカ収集が趣味のナルシスト野郎。そして、無意識に股間を掻いているリャオ・インホン(ツァイ・チャンシエン)のあだ名はマタカキ。5人は全員同じクラスで、教師たちから問題児として目を付けられていた。
そんなある日、コートンとボーチが授業中に度が過ぎた悪ふざけを敢行。教師に見つかって、席替えを命じられる。コートンは、クラスでトップの優等生、シェン・チアイー(ミシェル・チェン)の前に座ることになった。チアイーは仲間たち全員が憧れている女子。皆、あの手この手で彼女の気を引こうとしていたが、あまのじゃくのコートンだけは無関心を装っていた。
英語の授業の時、苛ついた女教師が教科書を忘れて焦るチアイーを見とがめる。コートンはさっと自分の教科書をチアイーに渡し、自分が罰を受けることにした。驚いたチアイーは、教科書のいたずら描きを見て微笑む。それ以降、チアイーはお礼のつもりで、自分で作った試験問題をコートンに毎日渡し、勉強をさせるようになる…。
●アジコのおすすめポイント:
青春映画と青春スターの宝庫・台湾からまたまた、珠玉の胸キュン作品が登場です。おバカでノーテンキだった高校時代に出会った初恋の女の子とその親友、彼女を好きだったおバカな仲間たちとの高校卒業までのエピソードと、その後の恋の行方を、懐かしい時代背景と共に描いた甘くて切ないラブ・ストーリー。台湾では「あの頃」ブームを巻き起こし、続く香港、シンガポールでも大ヒット。でも、本作がこれまでの青春映画とちょっと違っているのは、この物語がギデンズ・コー監督自身の実話だということ。台湾の若者に絶大な人気の小説家ギデンズ(九把刀)が、この物語のラストから翌年、06年に発表した同名小説が原作となっているのです。原作は100%実話と語る監督。映画では多少、映画的な脚色がされているものの、主人公たちの名前もすべて実名となっています。後の九把刀となるコー・チントンを演じるのは、本作で大抜擢されて俳優デビューを飾ったクー・チェンドン。これが初めてとは思えない体当たりの演技で魅了します。初恋の彼女を演じるのは、監督が出演を熱望したミシェル・チェン。『花様 〜たゆたう想い〜』の公開も控えたミシェルですが、本作がきっかけで女優として大ブレイクしています。かつての男子もかつての女子も、胸を熱くしたあの頃のことを、きっと思い出すことでしょう。
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