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パリ、ただよう花

監督:ロウ・イエ
原作:「裸」リウ・ジエ著
脚本:リウ・ジエ、ロウ・イエ
撮影:ユー・リクウァイ
編集:ジュリエット・ウェルフラン
美術:ギヨーム・ドゥヴィエルシー
音楽:ペイマン・ヤザニアン
出演:コリーヌ・ヤン、タハール・ラヒム、ジャリル・レスペール、ヴァンサン・ロティエ、シファン・シャオ、チャン・ソンウェン、パトリック・ミル、アデル・アド

2011年/フランス・中国
日本公開日/2013年12月21日
カラー/1:85:1/ドルビーデジタル/105分
配給:アップリンク

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パリ、ただよう花(花/Love and Bruises)

story

 ホア(コリーヌ・ヤン)は北京で出会ったフランス人のティエリー(パトリック・ミル)を追って、パリの大学に留学してくる。しかし、彼の態度はつれなくホアは失恋してしまう。傷心のままパリの街をただようホア。やがて雨が降り始め、ホアは市場近くのカフェで寝込んでしまう。

 店員に起されてカフェを出たホアは、資材運びをしている男とぶつかる。仕事を終えた彼は、ホアのことを気遣いながら執拗に話しかけてくる。最初は戸惑っていたホアも、彼女が中国人と知った彼から「ニーハオ!」と挨拶され微笑む。彼の名前はマチュー(タハール・ラヒム)だ。

 マチューはホアに携帯番号を教え、食事に誘う。やがて夜になり、二人はそのまま路上やホテルでセックスを重ねる。翌朝、ホアは不倫関係にあるリャンビン(シファン・シャオ)の部屋を出て、新しい部屋に引越す。

 マチューと付き合いだしたホアは、彼の友人のエリック(ヴァンサン・ロティエ)やジョバンニ(ジャリル・レスペール)とも遊びにでかける。しかしある日、マチューはホアが誰とでも寝る女かどうかジョバンニと賭けをして、彼女を傷つけてしまう。

 別れようとするホアに、マチューは「窓から飛び下りる」と抵抗。自分の部屋にホアを招き、プロポーズする。しかし、マチューには書類上の妻でルワンダ人の妊娠している女(アデル・アド)がいることが発覚。ホアは彼との隔たりを感じ、北京へ戻ってしまう…。

●アジコのおすすめポイント:

『天安門、恋人たち』(06)で5年間の映画製作・上映禁止処分を受けたロウ・イエ監督が、フランスや香港から資金調達をして『スプリング・フィーバー』と共に撮影した作品です。原作は過激な性描写が話題となったリウ・ジエのインターネット小説「裸」。パリ在住の彼女が映画化したいと脚本にしたものの、力不足のため、北京電影学院時代に知り合ったロウ・イエ監督に託して映画化が実現しました。初の原作ものですが、「愛の問題」を描き続けてきたロウ・イエ監督は女性視点の本作を気に入り、2人で脚本を練り上げていったのでした。激しいベッドシーンが多い本作で主演を演じたのは、パリ生まれでモデルとしても活躍していたコリーヌ・ヤンと、本作に続いて『別離』のアスガー・ファルハディ監督による『ある過去の行方』(4月公開予定)が控えているタハール・ラヒム。撮影はジャ・ジャンクー監督作品でお馴染みのユー・リクウァイが担当し、ドキュメンタリータッチの映像で女の揺れ動く心理を切り取っています。果たして、彼女はほんとうにあばずれなのか…スクリーンでおたしかめください。尚、ロウ・イエ監督の最新作『二重生活(浮城謎事/Mystery)』も年末頃に公開予定です。

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